【借りる部屋に迷ったとき】意識するといい比較ポイント

部屋を借りる際、複数の候補からどの物件を選ぶべきか迷うことがあります。最終的には細かな項目を比較して、より適した方を見極める必要があります。そのため、可能な限り多くの判断基準を心に留めておくことが望ましいでしょう。

この記事では、物件選びにおいて見過ごしがちな比較ポイントを取り上げ、「費用」「立地」「その他のこだわり条件」の3つの側面から具体的に解説しています。

まず知っておきたいこと

気になる物件の仮押さえはできるか?

物件を絞り込んでいる際、他の入居希望者に先を越されないように、「とりあえず仮押さえをしておきたい」と考える方が多いと思います。

しかし、賃貸物件は基本的に「借りるか迷っているけれど、キープしておく」といった形での仮押さえはできません。

賃貸物件の契約において、「仮押さえ」は実際には「入居申し込み」を指します。入居申し込みは、原則として借りることを前提に進められる手続きであり、基本的に2つの物件で同時に行うことはできません。

そのため、借りる候補をある程度絞り込めている場合は、できるだけ早く結論を出すことが重要です。

優先順位を明確にする

物件選びに迷ってしまった時は、条件の優先順位を明確にするとよいでしょう。

賃貸物件における重要条件は「費用」「立地」「こだわり条件」など様々あります。どの物件を選ぼうか悩んだ場合、これらのポイントを比較してみましょう。例えば、家賃が異なる場合には、立地や広さの要素も考慮して、よりコストバランスの取れた物件がどれかを判断します。

こだわり条件には優先順位をつけることも大切です。あらかじめ条件の具体的な内容を把握し、それぞれの優先度を決めておくと、物件の比較がスムーズに進みます。

比較ポイント【1】費用

2つの物件で悩む際、最初に注視すべきポイントは「コスト」に関する項目です。以下では、見逃しがちなポイントを3つに分類して解説します。

①管理費・共益費を含めた賃料で比較する

賃貸物件には、家賃に管理費・共益費が含まれているものと別途請求されるものがあります。同じ家賃でも、これらの費用を加味すると月々の支出に大きな違いが生じます。そのため、物件を比較する際は、これらの費用を含めた総合的な賃料で判断することが重要です。

②初期費用を比較する

賃貸物件を借りる際には、敷金・礼金や仲介手数料などの初期費用が発生します。初期費用の金額は「家賃の4~6ヶ月分程度」が目安と言われていますが、物件ごとに異なりますので確認が必要です。例えば、以下の例で示すように、他より家賃が高くても総額では安く済むといった場合があります。

<2年間賃貸した場合>
物件A:家賃10万円、初期費用は家賃の4か月分
→家賃240万円、初期費用40万円:トータル280万円

物件B:家賃10万5000円、初期費用は家賃の2か月分
   (礼金ゼロ、フリーレント1ヶ月分)
→家賃252万円、初期費用21万円:トータル273万円

このように、物件Aの方が物件Bより家賃が安いですが、
2年間住んだ場合は物件Bの方が安く済みます。

※ガスのタイプを比較する

見落としがちなポイントの一つが「ガスのタイプ」です。都市ガスとプロパンガスは、一般的に料金面での差があります。特にプロパンガスは各ガス会社の自由な料金設定が可能であり、契約会社によって大きな価格差が生まれることがあります。一般的にプロパンガスの方が都市ガスよりも高い傾向がありますので、ガス代を考慮する場合は比較時に意識しておくべきポイントです。

比較ポイント【2】立地

次に、立地に関する比較ポイントを見ていきましょう。

①最寄り駅までの距離とルート

最寄り駅までの距離だけでなく、実際のルートも確認することが重要です。徒歩所要時間だけではわからない、坂道や信号などの要素が利便性に影響を与えることがあります。

②近隣の利便性

商業施設や公共施設までの距離やアクセスルートを確認しましょう。また、自家用車を使用する場合は、道路状況や交通量もチェックしましょう。

③騒音・治安

周辺環境における騒音や治安は、住環境の重要な要素です。特に幹線道路や鉄道沿いの物件は、異なる時間帯や曜日において騒音が気になることがあるため、注意深くチェックすることをおすすめします。

④駐車場・駐輪場の有無

こちらはエリアやライフスタイルによっても違いが生じる項目ですが、駐車場や駐輪場の有無、管理状況なども見逃せない比較ポイントです。駅から遠い物件の場合や、通勤に車を使いたい方は、駐車場が条件として必要かもしれません。近くの駐車場を借りる方法もありますが、そこまで歩かなければいけないため不便に感じる可能性があります。

比較ポイント【3】その他のこだわり条件

最後に、こだわり条件に関する比較ポイントを紹介します。

①物件の階数、エレベーターの有無

階数やエレベーターの有無は、眺望や生活の利便性に影響を与える要素です。エレベーターの台数によっても住みやすさが変わるため、確認が必要です。また、物件の階数は2階以上を好む声が多く、セキュリティー面での安心感や日当り、害虫の侵入リスクが少ないというメリットが挙げられます。

②方角・日当たり

部屋の方角は日当たりに影響を与えます。南向きが一般的に好まれる傾向がありますが、南向きの物件は人気のためその分家賃が高い可能性があります。人によって快適に感じる方角は異なりますので、自分の生活リズムに合った方角を選ぶことが大事と言えるでしょう。

③防音性、建物の構造

建物の防音性は生活の快適さに関わります。一般的に、木造よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が防音性に優れているとされていますが、建物の構造などによっても異なるため、内見時に確認するとよいでしょう。

④水回り

設備の基本条件だけでなく、水回りの設備や配置、動線も快適な生活を左右します。例えば「バス・トイレ別」はこだわり条件の上位にランクインしているポイントです。「湿気対策が必要ない」「湯船に浸かりやすい」「来客に安心してトイレを貸せる」「収納スペースが設けられている」「床やトイレットペーパーが濡れずに済む」といった点がメリットとして挙げられます。

⑤セキュリティー

セキュリティーに関する設備や、周辺の治安状況も確認が必要です。可能であれば、街灯の有無や夜の人通りもチェックしておくとよいでしょう。

⑥収納スペース

収納スペースの広さや使い勝手も考慮すべきポイントです。使いたい家具を配置することができるかなど確認しましょう。

⑦エアコン完備

賃貸物件の中には、はじめからエアコンが設置されているものも多く、経済面や利便性の面から重視されやすい条件となっています。エアコンを自分で用意する必要がある場合、購入費用だけではなく、設置や撤去の費用がかかります。またその分手間や時間もかかるため、エアコンが完備されている物件を好む人が多いです。ただし、備え付けのエアコンガ古い場合は、新しいエアコンよりも光熱費がかかる可能性があるので、こだわる方はエアコンもチェックポイントと言えるでしょう。

⑧ペット相談可

「ペット相談可」とは、オーナーさんとの相談によってペットの飼育を許可してもらえるケースがある物件のことを言います。ペットを飼うことを考えている場合は、ペット相談可能な物件を選ぶようにしましょう。

⑨室内洗濯機置き場

「室内洗濯機置き場」もこだわり条件の上位にランクインするポイントです。室内に洗濯機置き場がない場合、洗濯機を外に置かなければならず、洗濯機が痛みやすかったり、盗難やのぞきなどのリスクが生じたりします。

まとめ

賃貸物件は仮押さえが難しいため、特に人気の物件は早めの申込みが必要です。どの物件にするべきか迷ったときは、自分にとって絶対にかかせないポイントや優先順位を考えるといいでしょう。また、不動産営業マンなど、不動産の専門家にアドバイスしてもらって判断することも賢明です。

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