築5年の一戸建てを売却して住み替えるポイント!高く売るなら急ぐべき!?

まだ建てて間もない一戸建てを売却するときは、できるだけ早く売却を進めることが大切です。築5年なら新築と同じとはいきませんが、築浅の物件として高く売却できる可能性があるのです。

築5年の一戸建てを売却するときの価格の目安と、住み替えるときのポイントを解説します。

築5年の一戸建てを早く売るべき理由と売却価格の目安

築5年の一戸建てを売却するなら、できる限り早く売却することをおすすめします。一戸建ては時間が経つにつれて売却価格が下落していき、高額での売却が難しくなっていくためです。

ここでは、築5年の一戸建てを早く売るべき理由と、売却価格の目安を解説します。早く売るべき理由を理解できれば、売却時期の判断に役立つでしょう。

売却価格は築年数と関係する

一戸建ての売却価格を判断するポイントのひとつが築年数です。土地の価格は建物の築年数に影響を受けませんが、建物は築年数が経つと価値が下落します。

そのため、売却が遅れると、それだけ建物の価格が下がっていきます。少しでも高く売りたければ、できる限り早く売却するのが得策です。

売却価格は新築と比べて70%程度になる

では、築5年の一戸建ては新築の一戸建てと比較して、どの程度価格が下落しているのでしょうか。国土交通省が公開した「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」では、新築から年数が経過するにつれて、建物の価値がどれくらい下がるのかをグラフであらわしています。

参照:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状市場の現状」

このグラフによると、築5年の一戸建ての価格は新築戸建の価格の約70%であることがわかります。つまり、新築から5年経過すると、価格は約30%下落するのです。5年以上経過するとさらに価格は下落していき、約22年でほぼ横ばいになります。

ただし、中古戸建の価格は築年数だけで決まるのではなく、立地や建物の使用状況などさまざまな要因があります。そのため、築年数以外にプラスの要因があれば、築5年の一戸建てでも新築の価格の70%より高く売却することも可能です。

築5年までは築浅物件として高く売却できる

新築から数年しか経過していない物件のことを、築浅物件と呼びます。しかし、築浅物件が新築後何年経過するまでを指すのか、法律上の明確な定義はありません。一般的には、築5年までの物件を築浅物件と呼ぶケースが多いです。

築浅物件は、新築のように比較的きれいな物件を、新築より安価に購入できることから人気があります。そのため、築浅物件は建物の状況や市場の動向などにより、相場より高額で売却できることもあるでしょう。築5年以内に売却すれば、売却活動の際に築浅物件とアピールできるため、5年を過ぎてから売却するより高額で売却できる可能性があります。

住み替え先の住宅の購入資金などに売却代金を充当するケースでは、できる限り高額で売却したいと考える人が多いでしょう。築年数が6年以上経ってから売却するよりも、築5年で売却するほうが手もとに資金を多く残せるかもしれません。将来を予測するのは困難ですが、住み替えるなら築5年で売却するほうが有利だといえるでしょう。

※後ほど説明するように、売却した不動産の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、譲渡所得税が5年を超える「長期譲渡所得」に比べて、所得税率が高くなるため注意が必要です。

築5年の一戸建てを高く売却する方法

築5年の一戸建てを少しでも高く売却するためには、ポイントを押さえて対策を立てることが必要です。少しでも高く売却するための方法は、主に以下のようなものがあります。

  • 適正価格を把握しておく
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 家をきれいにして、魅力的に見せる
  • 使える設備は残しておく
  • 売れやすい時期に売却する
  • 一戸建ての売却に強い不動産会社に任せる

項目ごとに詳しく解説します。

適正価格を把握しておく

売却活動を始める前に、周辺の相場などから適正価格を把握しておきましょう。一戸建ては立地や土地の形状、建物の状況など、条件が物件ごとに異なるため、売却価格も物件ごとに変わります。周辺で過去に売却された一戸建ての売却価格などと比較して、おおよその売却可能な金額を把握しておくことが大切です。

売却価格の目安がわかれば、売却額を高めに設定する際に、どの程度が妥当なのかを判断する材料になります。また、不動産会社を選ぶ際や資金計画の検討にも役立つでしょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産の査定価格は、不動産会社によって差があります。複数の不動産会社に査定を依頼して査定価格を比較することで、適正な価格を把握できるでしょう。高い査定価格が魅力的に見えるケースもありますが、売却価格が高いと確実に売れる可能性が低くなるため、客観的に比較検討することが大切です。

また、不動産会社への査定依頼は、各社のサービスや担当者の対応を比較する機会にもなります。納得のいく売却にするために、査定価格以外の部分も検討することが大切です。ハウスクリーニングや入居後のサポートなどのサービスは、物件に付加価値をつけてくれるため、反響を取りやすくなるでしょう。

家をきれいにして、魅力的に見せる

早く高く売却するコツのひとつが、購入希望者が内見に来た際に好印象を与えることです。築浅だから室内はきれいだろうと安心して、そのまま見せるのはおすすめしません。内見で第一印象を良くするためには、片付けや清掃をしてきれいにしておくことが大切です。

特に水回りの清掃やクローゼットの中の整頓は、目にとまりやすいので注意が必要です。荷物は室内に出さずできる限りクローゼットに収納しておくと、購入希望者が室内に家具を配置した状態をイメージしやすくなります。屋外も忘れずに、草刈りや片付けなどきれいに整えておくとよいでしょう。

使える設備は残しておく

中古戸建の売却では、エアコンや照明などの設備を全て撤去するのが一般的です。しかし、築浅の一戸建てなら、使える設備を残しておくことで価値を上げることが可能です。

売主にとっては撤去費用を節約でき、買主にとっては新規購入や設置の費用を節約できます。築浅の場合は設備もまだ新しいので、買主も喜ぶでしょう。ただし、引渡後に設備に不具合があったときに、誰が修理を負担するのかなどは不動産会社に確認しておきましょう。トラブルが起こらないように、備えておくことが大切です。

売れやすい時期に売却する

一戸建ての売却には、売れやすい時期と売れにくい時期があります。一般的に、2月や3月など年度の変わり目は、進学や異動に合わせて新居を探す人が増えるため、売れやすいといわれています。

売れやすい時期に売却を始めることで、購入希望者を多く集められるでしょう。ライバルが増えれば、価格交渉が少なくなるため、より高額で売却できる可能性もあります。逆に売れにくい時期はなかなか購入希望者があらわれず、価格を下げざるをえないこともあるため注意が必要です。

一戸建ての売却に強い不動産会社に任せる

不動産会社には得意分野があります。一戸建ての売却に強い不動産会社は、経験が豊富でノウハウを多く持っているため、高額で早期に売却できるようにアドバイスをもらえるでしょう。また、地域の市場に精通している不動産会社に依頼するのも、早期に高額売却できる可能性があるでしょう。

築5年の一戸建てから住み替えるときのポイント

住み替えで押さえておくべきポイントは、新規に住宅を購入するときと異なります。主に、以下のようなポイントがあると理解しておけば、スムーズに住み替えを進められます。

  • 住み替えの目的を明確にする
  • 売り出し価格を高くし過ぎない
  • 売却益が出るときは税率が高くなる
  • 住宅ローンの残債がある場合は注意する

ここからは順番に詳しく見ていきましょう。

住み替えの目的を明確にする

住み替えの場合、なぜ住み替えるのかという目的を明確にすることが重要です。目的によって、高く売却する必要があったり、早く売却する必要があったりと、売り出し方が変わるためです。

住み替え先の購入資金に売却額を充当したい場合は、高く売却する必要があります。子どもの進学に合わせて住み替えたい場合には、売却時期を進学の時期に合わせなければなりません。急な転勤であれば、早く売却して引っ越さなければならないでしょう。

目的を明確にすることにより、売却において何を優先するべきかを意識できるため、希望に合わせて売却を進められます。

売り出し価格を高くし過ぎない

築5年と築浅であれば、売り出し価格を高くしても売却できる可能性があります。一方で、販売価格が高いと、売却に時間がかかってしまうリスクも忘れてはいけません。売却に時間がかかってしまうと、売れ残っているという良くない印象を与えてしまい、反響が鈍くなったり値下げ交渉をされてしまったりするおそれがあります。

できる限り高額で早期に売却するには、不動産会社と良く相談して、適正な価格で売却を進めることが大切です。

売却益が出るときは税率が高くなる

売却により利益が出た場合、譲渡所得税という税金が課せられます。譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた期間により異なります。所有期間と税率の関係は以下の表のとおりです。

譲渡所得所有期間税率
短期譲渡所得5年以下39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別取得税0.63%)
長期譲渡所得5年超20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別取得税0.315%)

築5年の場合は短期譲渡所得になるため、5年以上所有した場合に比べて譲渡所得税の税率が高くなります。課税額が大きくなると手もとに残る金額が減ってしまうため、資金計画に影響が出ます。売却した金額を住み替え資金などに充当する場合は、特に注意が必要です。

住宅ローンの残債がある場合は注意する

住宅ローン返済中の住宅を売却する場合、残債を完済して抵当権を抹消しなければなりません。そのため、住宅ローンを返済中に売却する際は、住宅ローンの残債を支払える金額で売却する必要があります。

売却金額で住宅ローンを完済できるアンダーローンの場合は、売却したお金で住宅ローンの残債を完済し抵当権を抹消できるため、売却が可能です。

一方で、売却金額が低い場合は注意が必要です。売却金額が住宅ローンの残債額を下回ってしまうことをオーバーローンといいます。オーバーローンでは住宅ローンを完済できないため、抵当権を抹消できず売却できません。そういったときは、手元の自己資金で差額を支払う必要があります。

自己資金を用意できないときは、住み替えローンを利用する方法があります。住み替えローンとは、差額分と新たに組む住宅ローンを合わせた金額を借り入れるローンのことです。住み替えローンを組めれば、残債を完済して抵当権を抹消できるため売却が可能です。

ただし、住み替えローンは借入額が大きくなるため、審査が厳しいうえに金利が高くなることがあります。毎月の返済額が増えて経済的に苦しくなるおそれがあるため、注意しなければなりません。ローンの返済が可能かしっかりと検討して、無理のない資金計画を立てましょう。