40代でも住宅ローン審査は通る!リスクを軽減する方法も紹介

40代でも住宅ローンの審査は通ります。

「40代から住宅ローンを組むなんて遅いのでは?」と心配する人もいるかもしれませんが、実は審査に通りやすい年齢層です。そのため、40代は住宅ローンの申し込み年齢としては一般的です。

しかし、当然ながら40代で住宅ローンを借りることにはリスクもあります。40代での住宅ローン借り入れについて詳しく解説します。

40代でも住宅ローン審査は通る

40代でも住宅ローン審査が通る理由と、40代は住宅ローン審査審査が通りやすい年代である理由について紹介します。

住宅ローン利用者の平均年齢は40代

住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、2021年度はフラット35利用者の平均年齢は41.5歳でした。40代の利用者の割合は、2011年度の21.6%から年々増加し、2021年度には26.5%となっています。

住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」より

さらに50歳以上の割合も増えており、2021年度は23.1%と初めて20%を超えました。つまり、40歳以上の利用者の割合は49.6%と半数に及びます。このデータから40歳を過ぎてから住宅ローンを組むことは、一般的といえるでしょう。

40代は住宅ローン審査が通りやすい年代

40代は住宅ローン審査が通りやすいといえる理由は、審査における重要な条件をクリアしている年代だからです。重要な条件には「返済負担率」や「勤続年数」「年齢」などがあります。それぞれ詳しく解説します。

返済負担率が低くなる

20代や30代に比べると40代は収入が高くなり返済負担率が低くなるため、住宅ローンの審査が通りやすくなります。

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。金融機関では、返済負担率が低い人ほど滞納するリスクが低いと判断します。一般的に、返済負担率は25%以内に抑えるといいでしょう。たとえば、年収600万円であれば、600万円×25%=年間150万円になります。月額にすると12万5,000円以内の返済額になるよう、住宅ローンを組むことがおすすめです。

勤続年数が長くキャリアを積んでいる

住宅ローン審査において勤続年数が長いことも重要な条件です。

40代であれば勤続年数が10年以上と長期間であったり、キャリアを積んで役職が付いていたりするでしょう。勤続年数が長いほど安定した収入や昇給が見込めるため、金融機関から返済能力が高いと判断されます。

ただし、転職などで勤続年数が短い場合は注意が必要です。金融機関によっては1年以上勤務していなければ申し込みできないなどの条件があります。40代である程度の収入があっても勤続年数が短いと、審査に通らないおそれがあります。

年齢制限に問題がない

住宅ローンには、借り入れするときと、返済を完了するときの年齢に制限がありますが、40代はどちらも問題ありません。

多くの金融機関では、住宅ローンを借り入れするときの年齢は70歳以下、返済完了するときの年齢は80歳未満としています。もし返済期間35年の住宅ローンを組みたいならば、「80歳ー35年=45歳」という計算になるため、45歳までが申し込みする年齢の限度といえます。

しかし、実際は80歳まで住宅ローンの返済が続くようなプランはおすすめできません。とはいえ、住宅ローンの年齢条件において40代は問題がないため、審査が通りやすいといえるでしょう。

40代で住宅ローンを借り入れるリスクとは

40代は住宅ローンが借り入れしやすい年代であると解説しましたが、一方で多くのリスクも抱えています。どのようなリスクがあるのか、解説します。

定年後も住宅ローンの返済が続くリスク

40代で住宅ローンを組むと、定年後も住宅ローンの返済が続くリスクが高くなります。

住宅ローンは数千万円と高額な借り入れとなるため、長期間の返済期間にして契約するのが一般的です。また、月々の返済額を減らすために借入期間を長くすることもあります。

その結果、完済年齢が定年後になることは珍しくありません。ただし、定年後の返済資金をどうするのかを事前に計画しておく必要があります。対策としては、定期的な繰上げ返済や退職金の活用がおすすめです。

なお、年金を返済に充てるのはおすすめできません。年金は法改正で受給年齢の引き上げや減額の可能性があるからです。できる限り、定年までに完済できるような返済プランで住宅ローンを組みましょう。

老後資金が用意できないリスク

40代は老後資金を貯める時間が短くなります。

住宅ローンの返済で家計が圧迫されていると、老後資金が十分に用意できないリスクがあります。用意ができなければ、別のローンを組んだり家計をさらに切り詰めたりすることになるでしょう。

また、40代は住宅ローンの返済が定年まで続くケースが多いため「住宅ローンが終わったら貯める」などができません。住宅ローンを返済しながらも、貯蓄ができるようなゆとりのある資金計画を立てましょう。

団体信用生命保険に加入できないリスク

40代は団体信用生命保険(団信)に加入できないリスクが高くなります。

団信とは、契約者が死亡または高度障害になった場合に住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。多くの金融機関では団信の加入を必須としていますが、加入するためには所定の健康状態でなければいけません。

40代になると、持病や病歴などを抱えている人が徐々に増えてくる年代です。症状によっては団信に加入できず、住宅ローンの申し込みができない、または希望通りの金額を借り入れできないといったケースがあることも覚えておきましょう。

借入審査・返済リスクを軽減する方法

住宅ローンの審査や返済リスクを軽減する方法を4つ紹介します。40代での借り入れを検討している方は参考にしてください。

頭金は1~2割用意する

40代で住宅ローンを契約するなら頭金を1〜2割用意しましょう。

頭金を入れた分だけ住宅ローンの借入額は少なく済みます。借入額が少なければ住宅ローンの審査が通りやすくなり、毎月の返済額も少なくなります。

ただし、自動車や教育費など、まとまった資金が必要な分は手元に残しておきましょう。頭金を多く入れ過ぎたために、自動車ローンや教育ローンなどを利用することは避けなければいけません。一般的に、住宅ローンに比べてその他のローンは金利が高い傾向にあるからです。無理のない範囲で頭金を用意しましょう。

住宅ローンの完済年齢をなるべく低くする

住宅ローンの完済年齢をなるべく低くすると、審査が通りやすくなります。

できれば完済年齢は、定年予定の年齢までにして申し込むといいでしょう。なぜなら、定年後は収入が減って滞納するリスクが高くなると金融機関に判断されるからです。

40代で住宅ローンを組む場合は、完済年齢を定年に合わせるなど、なるべく短い期間にすると審査や返済リスクを軽減できます。しかし、頭金と同様に無理は禁物です。短期間にすると毎月の返済額が高くなることを十分に理解しておきましょう。

住宅ローン以外のローンは返済しておく

住宅ローンの審査を通りやすくするために、住宅ローン以外のローンは先に返済しておきましょう。

自動車ローンやカードローンなど、複数のローンを契約したまま住宅ローンを申し込むと、年収に対する返済負担率が高くなります。その結果、金融機関では返済できないリスクがあると判断し、住宅ローンの審査が通らなかったり、希望金額の融資が受けられなかったりします。

住宅ローン以外のローンは返済してから、住宅ローンを申し込みしましょう。

少しでも早く住宅ローンを組む

40代で住宅ローンを組む場合は、少しでも早く申し込むことをおすすめします。たとえば、48歳と43歳では5年の差がありますが、5年間で生活環境は大きく変わります。

40代は住宅ローンの審査が通りやすい年代とはいえ、さまざまなリスクも抱えています。35年ローンを組むなら45歳までに申し込みしなければいけません。少しでも若いうちに申し込みすれば審査や返済リスクの軽減が期待できます。

「家を購入したい」と思ったら、まずは相談してみるなど早めに行動しましょう。