【基礎知識】壁芯面積と内法面積の違い

不動産の販売図面や販売広告には物件の面積が記載されていますが、その面積の記載の仕方は大きく分けて2通りあることをご存知でしょうか。特にマンションの場合は、実際の部屋の面積がパンフレットなどに記載された面積より狭くなるケースがあるため注意が必要です。

今回は、「壁芯」と「内法」の面積算出法の違いをご紹介します。

壁芯面積と内法面積の違い

  • 壁芯面積
    壁の中心線に囲まれた面積を床面積とする算出方法
  • 内法面積
    壁の内側の線で囲まれた面積を床面積とする算出方法。               

不動産の購入においては、実際に使える範囲(見える範囲)が重要ですので、内法面積が実用的な面積と言えます。

それぞれの計算方法で部屋の広さはどれくらい違うか

壁芯面積と内法面積の差は、壁の厚みによって異なるため一律にどのくらいとはいえません。壁の厚みは、木造や鉄筋コンクリート造など構造形式によって異なります。参考としては、おおよそ内法面積の方が5~10%少なくなると考えておけばよいでしょう。

マンション広告の面積は壁芯が多い

マンションのパンフレットや広告に記載されている床面積は大抵の場合、壁芯面積です。理由として、まず面積を大きく表示できるという点があります。物件の購入を判断する際、同じ条件下の物件の比較では面積の大きさが決め手となるからです。また、物件を販売する会社からすれば、競合他社の壁芯表示と合わせないと都合が悪いからです。他の理由としては、建築確認の際には内法面積ではなく、壁芯面積がベースになっていることが挙げられます。

税制の優遇措置を受ける際の注意点

住宅ローン控除や、不動産取得税・登録免許税の軽減措置を受けるなら、床面積に特に注意が必要になります。要件として、自己居住用であることなどの他に、床面積が50平方メートル以上あることが求められます。この床面積が意味するのは、壁芯面積ではなく内法面積です。例えば、販売広告で55平方メートルと記載されていても、内法面積が49平方メートルだった場合、優遇措置を受けられません。ですので、不動産を購入する前に、販売会社や不動産会社に確認するなどして、内法面積を確認しましょう。

いかがでしたでしょうか。今後面積を見る際には是非思い出していただければ幸いです。