タワーマンションの売却はお早めに!理由と売却方法を紹介

住まいだけでなく節税対策や投資目的として注目が集まっているタワーマンションですが、売却を検討した際には、簡単に売却できるものなのでしょうか。

今回は、タワーマンションの売却について解説します。

タワーマンションの売却は早めがいい?理由は住宅ローン金利

タワーマンションの売却を検討する場合、売却開始を早めることをおすすめします。その理由として、現在の金利事情が関係しています。金利は購入だけでなく売却時にも関係するポイントです。

現在、金利が徐々に上昇している

フラット35によると、2022年10月の「民間金融機関の住宅ローン金利推移」では、変動金利は変わらずに推移しているものの、固定金利は上昇傾向にあることがわかります。

住宅金融支援機構 「民間金融機関の住宅ローン金利推移」 より

今後は、大手銀行も固定金利を引き上げすることを発表しており、現在の低金利がいつ終わるかわからない状況にあります。

つまり、2022年現在は不動産を購入しやすい環境であるものの、政府がゼロ金利政策の方針を転換することで状況が一変する可能性が高いといえます。

金利が上がると買い控えが起きる

住宅購入時はほとんどの方が住宅ローンを利用します。そのため、金利が上がることで購入を控える「買い控え」が起こります。

買い控えが起きてしまうと、タワーマンションの売却活動を開始したところで内覧予約も少なく、売りにくい状況といえます。このように、金利の影響は買い手だけでなく売り手にも大きな影響を与えます。

金利が上がると売却価格が下がる

金利が上がると、高値で売れなくなってしまいます。なぜなら、買い控えが起こることで需要が下がるからです。需要が下がるなかで売却するためには、需要に合った売却価格に設定する必要があります。

不動産に限りませんが、金利が上がることで購買意欲が低くなります。購買意欲が下がると結果的に物価が下落していくため、不動産価格も下がります。

このような理由から、タワーマンションは金利上昇の前に売却した方が需要も高く、高値で売却できるでしょう。

そもそもタワーマンションの売却は難しい?

金利の上昇リスクとは関係なく、そもそもタワーマンションの売却は難しいとされています。

タワーマンションが建築されることが公開されると、建物完成前に完売となることも珍しくありません。そのため売却時もすぐに買い手が見つかるイメージがありますが、実際は計画通りに売却できないことも多いのです。それはなぜでしょうか。

ランニングコストが高い

タワーマンションといえば、豪華なエントランスやコンシェルジュの常設、トレーニングルームや共有集会場など、設備がほかのマンションよりもハイスペックであることが特徴です。

しかし、これらの維持管理はすべて管理修繕費によって賄われています。また、タワーマンションは立地がよく、駐車場代なども高額になる傾向にあります。さらには、資産価値の高いタワーマンションの固定資産税は減価償却による減少が少なく、新築時の高い状態が長年継続されます。

このように、ランニングコストが高いという点も、中古タワーマンションの売却が難しい理由です。

中古タワーマンションの需要は少ない?

タワーマンションはステータスが高く、憧れの住居です。しかし、その需要は新築のタワーマンションに限定されるケースが多いです。

なぜなら、タワーマンションを検討する買い手は高収入であることが多く、中古マンション自体が検討外となるからです。そのため、SUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトで検索する際にも新築マンションのチェックボックスがチェックされ、中古タワーマンションが閲覧される件数が大きく減ります。

一方、中古マンションを探していている買い手には、安くマンションを買いたいという心理があります。つまり、売却価格が高い中古タワーマンションは高収入層にも中古マンション検討層にも該当しないことになります。

このように、ただでさえ中古タワーマンションの需要は少ない状況下に、金利の上昇が加わるとさらに不利な販売状況になります。そのため、中古タワーマンションの売却を成功させるためには、金利の上昇が起きる前にタワーマンションの売却をスタートさせることが必須だといえるでしょう。

タワーマンションの売却方法

中古タワーマンションの売却が難しい理由について解説しましたが、厳しい状況であっても納得のいく内容で売却を完了させる方法はあります。

ここでは中古タワーマンションを売却するためのポイントを解説します。

高く売るなら買取ではなく仲介で

保有しているタワーマンションを売ると決めた以上、高く売りたいと考えるのは売主として当然でしょう。そのためには、買取ではなく仲介で売却することをおすすめします。

仲介の場合、不動産会社が売主に査定価格を提示し、それをもとに売主が売却価格を設定し、市場へ売り出します。

一方、買取は不動産会社が買い手となるため、不動産会社の査定価格=売却価格となります。買取は市場で買い手を探す必要がないため、売却を検討してから1週間後には契約できる可能性がある程、スピーディーに進めることができます。

ただし、買取は売却価格が安くなります。不動産会社は購入後に諸費用と税金を支払い、利益やその他修繕費用を上乗せし、相場価格で再販します。つまり不動産会社が利益を出すために、買取価格は相場価格よりも大きく下がることになります。

このことから、高値で売却するためには買取ではなく、一般人の買い手に購入してもらう仲介を選択するようにしましょう。

売却期間は半年程度みる

エリアや価格、物件状況によって多少の違いはあるものの、不動産売却は通常3カ月程度で契約締結に至ります。しかし中古タワーマンションは需要のはざまにあり、そもそも買い手を捜索することが難しいとされています。そのため、販売期間は半年程度を想定しておくようにしましょう。

売却期間を長く設定することで買い手が現れるのを気長に待つことができ、心的な負担も少ないでしょう。また、売却期間を長く見積もっておけば、価格交渉があった際にも余裕をもって応じることができ、想定通りの金額で売却できる可能性が高まります。

依頼はタワマンの売却実績が多い不動産会社へ

中古タワーマンションの売却はニッチな需要となるため、実績の多い不動産会社を選ぶことは非常に重要です。

実績がある不動産会社は、タワーマンションを検討している顧客情報を多くストックしています。また、タワーマンションを検討するような高所得者層は自らポータルサイトで物件を探すことは少なく、信頼できる営業担当からの紹介で購入の検討をします。

そのため、実績が少なく顧客を抱えていない不動産会社に売却のサポートをしてもらうことはおすすめできません。中古タワーマンションを売却するためのノウハウや具体的な提案をしてくれる不動産会社に依頼することで、失敗のない中古タワーマンションの売却を実現できます。