タワーマンションは値崩れする?タワーマンションの未来を徹底予想

タワーマンションに住むことは一種のステータスであり、資産価値も高いことから人気が高く憧れのマンションです。そのため、人気のエリアでタワーマンションが建築されると、抽選で販売されることもしばしば。

一方で、様々なメディアや書籍ではタワーマンション「値崩れ」という懸念や危機感を煽るようなものも多くあります。では、今後タワーマンションは値崩れする可能性はあるのでしょうか。値崩れの兆候をあらかじめ知っておくことで、タワーマンションの購入や売却の判断を正しく検討することができます。

タワーマンションは値崩れする?

結論からいうと、タワーマンションは他のマンションと同様に値崩れする可能性があります。まずは、タワーマンションが値崩れする要因について解説します。

タワーマンションは災害に弱い

2019年10月に発生した台風19号により、川崎市にあるタワーマンションが浸水し、電気系統が破損しました。

当時マンションに住んでいた住民は、すべて避難することになり、2週間以上にわたってライフラインが停止するという被害が起きました。タワーマンションはこういった災害時に対応できるよう地下に貯水槽を設置していますが、限界貯水量を遥かに超える雨が降ったことで、大きな災害となりました。

災害時には当然非難が必要になりますが、タワーマンションでは高層階になればなるほど避難が遅れるというリスクがあります。エレベーターが止まれば、何十階という高さを階段で下りなければいけません。

このように、タワーマンションならではのリスクが、値崩れしやすい要因のひとつです。

価値を維持できるかどうかは立地による

タワーマンションの価値を維持するために重要な条件が「好立地」であることです。

たとえば、東京都内港区の青山や六本木に建築されているタワーマンションは需要が高く、供給されるスペース(土地)がないことから、将来的にタワーマンションが乱立する可能性は低いといえます。希少価値の高いタワーマンションは築古であっても高値で取引されます。

つまり、値崩れしないタワーマンションを選ぶ際にはネームブランドや設備ではなく、立地の優先順位を高くすることがポイントです。

逆にいえば、駅から遠かったり人気のないエリアに建っていたりするタワーマンションは値崩れする可能性が高いといえます。

管理修繕費が上がることで相対的な価値が下がる

タワーマンションに限らず、新築マンションは購入しやすいように、購入時は管理修繕費を低く設定しており、長い期間を経て徐々に高くなるように設定されています。

そのため、タワーマンションを中古で購入する場合、価値が下がったマンションに割高な管理修繕費を払うことになります。このような状態になるとタワーマンションは売れにくくなるため、売却する場合は売却価格を下げる必要があります。

タワーマンションは相続対策に使われやすい

タワーマンションは価値と人気が高いことから居住以外の目的で使われることも多いです。具体的には、相続税対策としてタワーマンションを購入し、相続させるケースです。

この対策自体は、タワーマンションの価値を下げることにはなりませんが、問題は相続人・被相続人が居住しなかった場合です。居住せずに売却した場合、未入居物件として販売されることになります。

未入居物件は中古物件の中で価値は高いですが、新築物件よりは劣ります。そのため、相続対策として購入した未入居タワーマンションが多く公開された場合、「誰も住んでいないなら安い方がいい」という理由で未入居物件が売れやすくなるでしょう。

その結果、居住したマンションの売却価格が下落し、値崩れすることになります。

値崩れしづらいタワーマンションの特徴4選

値崩れせずに新築時と同じかそれ以上に高値で売却できるタワーマンションもあります。値崩れするタワーマンションと値崩れしないタワーマンションの違いを知っておくことは、今後の物件選びにも大きな影響を与えるでしょう。

値崩れしづらいタワーマンションの特徴を4つ解説します。

一等地に建っている

前述のように、タワーマンションの価値は立地で決まります。

たとえば、港区に建つ「パークコート青山ザタワー」は2017年に建築されたタワーマンションですが、新築から6年近く経った2023年時点でも新築当時と同じかそれ以上の金額で売買されています。このマンションは青山一丁目駅と乃木坂駅のどちらにも徒歩10分圏内となっており、マンションのエントランスから東京駅まで移動時間が20分以内という立地です。

このような一等地に建築されているタワーマンションは、築年数が5年以上経過しても価値が下がらず、値崩れしない価格で売買することが可能です。

トレンドに合った設備が整っている

タワーマンションは立地が重要ですが、トレンドに合った設備が付いているかも重要なポイントです。

たとえば、タワーマンションに住む家族は共働きであることが多く、24時間使用可能なランドリールームやゴミ収集サービスなどは重宝されます。また、在宅ワークが普及したためマンションから出ずに仕事をする人も多く、個人利用できる商談ルームが完備されているマンションも人気です。

このように、時代のトレンドに合わせた設備が導入されていることで、値崩れしづらくなります。

投機的取引が継続している

投機とは転売や賃貸収益のことで、最初から居住せずに投資目的で購入することです。

このような取引は海外資本の影響が大きいですが、不動産取引が活発になることでタワーマンション自体の価値を維持し値崩れを防ぐ効果もあります。

そのため、タワーマンションを売る場合も買う場合も、オーナーチェンジ物件が多いかどうかはチェックすべきポイントといえるでしょう。相談する不動産会社に聞いてみるとよいでしょう。

世界的イベントの誘致が決定しているエリアに建っている

オリンピックやワールドカップ、万博などの世界的イベントの誘致は街を活性化させる大きな要因です。

一昔前は、これらのイベント終了後にその地域は赤字になることが多かったのですが、最近は集まった人や資本が長く留まるように工夫がされています。このような政策から世界的イベントの誘致計画は、単に人や資本を集めるのではなく、イベントを通じて街の経済活動が長く循環できるようビジネステナントや住居エリアを整備することが基盤となっています。

つまり、このようなイベント誘致が決定したエリアには将来多くの資本投入が予測されるため、タワーマンションにおいても値崩れしないといえます。

業界経験者が思う「タワーマンションの未来」

値崩れするタワーマンションとそうではないタワーマンションの違いについて解説しましたが、タワーマンションの市場はどのように変化していくのでしょうか。

関東圏や東京都内だけでなく、全国的に不動産価格は上昇しているといわれており、タワーマンションをはじめとしたマンション自体も全国平均では上昇傾向にあるようです。

国土交通省が発表している「不動産価格指数」、2023年3月31日発表した「不動産価格指数(令和4年12月・令和4年第4四半期分)」を見てみましょう。

「不動産価格指数(令和4年12月・令和4年第4四半期分)」より

上記グラフは、2010年の平均価格を100とした場合の各物件種別の価格推移を表しています。同グラフを見てもわかるとおり、マンション価格は2013年あたりから上昇し続けていることがわかります。

このように一見すると、不動産の価格は上がり続けているため、タワーマンションであっても値崩れはないように感じます。しかし、今後は右肩上がりし続けるということもないかもしれません。

業界経験者が思う「タワーマンションの未来」について、解説します。

立地が良くなければ値崩れする

日本の人口は減少傾向にあるため、日本は今後ますますコンパクトなまちづくりが進められていくと予想できます。

そのため、タワーマンションの価値は二極化し、立地が良いタワーマンションが注目され、それ以外のタワーマンションは極端に値崩れするでしょう。

もし立地がよくないタワーマンションを保有しており将来売却する予定がある場合は、早めに売却をするのがおすすめです。

購入だけでなく、賃貸も視野に入れる

タワーマンションに住む方法は購入だけではありません。タワーマンションを投資目的で保有しているオーナーも多いため、賃貸物件としての入居も検討できます。

どうしても将来的な値崩れが気になるという方は賃貸物件として入居することをおすすめします。しかし、先述したように極めて立地のよいタワーマンションを購入できる機会があれば、値崩れは考えづらいため、購入をおすすめします。

タワーマンションの購入・売却は早めに不動産会社に相談する

現在保有しているタワーマンションを売却する場合やタワーマンションの購入を検討する場合のどちらであっても、早めに不動産会社へ相談し最新情報を入手することが重要です。

タワーマンションがおかれている環境の変化は非常に早く、価値の基準も年単位で変わります。そのため、納得のいくタワーマンション売買にするためにも、プロの意見を早い段階で取り入れるとよいでしょう。