マンションの住み替え|失敗と成功を分ける重要ポイントとは

いまのマンションを売って、新しいマンションを購入する住み替えには、多くのお金と手間、時間がかかります。焦ると住み替えに失敗し、後悔することになるおそれがあります。

マンションの住み替えを失敗する原因と、住み替えを成功させるポイントを見ていきましょう。新生活を満足してはじめられるよう、ぜひチェックしてください。

マンションの住み替えに失敗した!と思うときは?

マンションの住み替えには高額な資金がかかるため、後悔するような事態を避けなければなりません。ここでは、マンションの住み替えに失敗した!と思う事例について紹介します。

思ったほど高く売れなかった

「マンションの住み替えに失敗した!」と思う代表的な例として挙げられるのは、思ったほど高く売れなかった場合です。

住み替えはいま住んでいる自宅を売却した資金で行うため、高めの金額で売れないと希望どおりの物件を買えないおそれがあります。売却益が少ないと、住宅ローンを多く借りることになるでしょう。

住み替えるときは不動産会社へ支払う仲介手数料や税金、仮住まいの費用など、諸経費がかかるため、できるだけ高い金額で売れないと資金繰りに困ってしまいます。

購入したマンションが気に入らない

住み替え先のマンションが気に入らないケースもあります。完成前の新築マンションを購入するときは、モデルルームなどを見学して設備類や仕様を確認しますが、それでも実際に住んでみると何となくイメージと違うことがあります。完成後あるいは中古マンションの内見で、実際に部屋のなかに入って確認した場合も同様です。

内見のときには気づかなかった日当たりや風通しなどに問題があると、生活の快適さに影響するため、購入したことを後悔することがあります。

割高な物件を購入してしまった

当初の予算を超える、割高な物件を購入してしまうケースもよくあります。「買い先行」で住み替えをしてしまった場合は、特にそういった事態になりやすいのです。

買い先行では先に家を購入するため、現在のマンションの住宅ローンを支払いながら新たに住み替え先の住宅ローンを支払う二重ローンになることが多々あります。

住み替え先のマンションをゆっくり探す余裕がないため、割高な物件を慌てて購入してしまうことも少なくありません。買い先行は資金計画が立てにくいため、資金が厳しくなることも考えられます。

売るタイミングに失敗して出費が増えた

売るタイミングに失敗して、出費が増えてしまうこともあります。

ありがちなのは、売り先行による住み替えです。売り先行では先にマンションを売却するため、退去日までに新居が見つからないと賃貸マンションなどを借りる必要があります。

住み替え先が決まらなければ家賃がかかってしまうため、自宅の売却と新居を購入するタイミングが合わなければ無駄な出費が増え続けてしまうのです。

新居の環境に馴染めない

せっかく住み替えたものの、新居の環境に馴染めないケースもあります。

都会から田舎に住み替えると、「スーパーや病院などの生活に欠かせない施設が少ない」「駅からの距離が遠い」など、不便さを感じてしまいます。新しい土地で友人がいなかったり住環境が変わったりすることで、孤独な気持ちになってしまうことも少なくありません。

いままで馴染みのなかった地域への住み替えは、周囲の環境に慣れるまで、孤立してしまうことがあります。

マンションの住み替えで失敗する原因

マンションの住み替えがうまくいかないケースの根本的な原因について解説します。

不動産会社選びの失敗

住み替えでとても重要なのは、自宅の売却の仲介を依頼する不動産会社の選定です。不動産会社を選ぶときには、住み替えに関する実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。マンションを売却するときは、マンションの売買に強い不動産会社がおすすめです。

高い査定価格だけで仲介会社を選んでしまうと、自宅がいつまで経っても売れないなどのリスクを抱えることになります。不動産会社のWebサイトなどで、売買実績を確認しましょう。

住み替えに関する知識不足

住み替えるときは、売主も住み替えに関する基本的な知識を身につけてください。買い替えの流れや、マンションの買い替えにかかる費用を把握していないと、資金調達や事務手続きがスムーズにいかないおそれがあります。

特に買い替えにかかる費用は、押さえておきたいポイントです。売却にかかる費用と購入にかかる費用をそれぞれ洗い出し、必要な資金を準備しておきましょう。

購入と売却の計画をきちんと立てていなかった

新しいマンションの購入と売却の計画をきちんと立てていないと、住み替えのスケジュールがうまくいかないことがあります。住み替えでは、「いまのマンションを売る」と「新しいマンションを買う」の2つを同時に行うため、売却と購入のスケジュールをうまく組み合わせなければなりません。

理想的なのは、マンションの売却と購入の時期が同じ場合です。いまのマンションを退去したら新居にすぐ入れるように、同時進行でうまく進めていきましょう。

売り出し時期が悪く、なかなか売れなかった

マンションがなかなか売れなくて、購入資金の目処がつかない場合も少なくありません。マンションを売り出すシーズンを見極めることが大切です。

不動産の売買は春と秋に集中する傾向があり、時期的には2〜3月に購入する人が多く見られます。反対にあまり売買されない時期もあり、7~8月が閑散期にあたります。この時期に売り出しても購入希望者が見つかりにくいため、売却に時間がかかる可能性があります。

住宅ローンの新規借入を失敗する

住宅ローンや住み替えローンを利用しようとしたものの、新規での借入に失敗するケースもあります。住宅ローンの残債がある状態で新居の住宅ローンを借入審査に申し込んでも、審査にとおらないことも少なくありません。

住み替えローンを利用するときに、「転職して間もない」「会社を退職して起業した」「以前より年収が下がった」などに該当する場合は、審査に通過できないおそれがあります。

住宅ローンの新規借入ができないと新居を購入できない場合は、住み替え自体が難しくなるため、住み替えをする前に自分がどのくらいの住宅ローンを借りられるか事前審査することをおすすめします。

マンションの住み替えを成功させる方法

マンションの住み替えには大きなお金がかかるため、後悔をしたくはありません。どのようにすれば失敗を避け、マンションの住み替えを成功させられるでしょうか。

満足して住み替えを終わらせるために、マンションの住み替えを成功させる方法を紹介します。

資金計画を立てる

マンションの住み替えで何よりも大切なことは、しっかりとした資金計画を立てることです。しかし、住み替えはマンションの売却と購入を同時期に行うため、売却と購入のタイミングや資金計画を立てるのは簡単ではありません。

住み替えをするときは、いまのマンションの売却代金を、新居の購入にあてる売り先行が一般的です。売り先行であればマンションの売却益が確定しているため、資金計画を立てやすくなります。ただし、資金的に余裕がある場合は、先に新居を購入するのもよいでしょう。

住むエリアを家族間できちんと話し合う

新しく住むエリアをどこにするのか、家族間できちんと話し合っておくことも大切です。

どんなによい物件であっても、通勤・通学時間が長い、あるいは生活に不便なエリアだと快適に住み続けるのは難しいでしょう。将来のライフスタイルも考慮した、利便性の高いエリアにあるマンションを住み替え先に選ぶ必要があります。

複数の不動産会社に査定を依頼する

所有するマンションの査定は、複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。少なくとも2〜3社には依頼するとよいでしょう。1社だけだと提示された査定価格が、市場価格に見合ったものかどうかがわかりません。

マンションを売り出すときは、市場価格に沿った売り出し価格でないと、検討対象にならなくて売れ残るおそれがあります。査定価格は高ければよいわけではないことを、覚えておきましょう。

住み替えの実績が多い不動産会社に依頼する

不動産会社にはそれぞれ得意とする分野があります。マンションを住み替えるときは仲介を依頼する不動産会社に、住み替えの売買実績が豊富な会社を選びましょう。

建物の種類にも得意・不得意があるため、マンションに特化した不動産会社がおすすめです。不動産会社選びを間違えると、住み替えがスムーズに進まなくなるため注意してください。

売却期間にゆとりをもたせる

マンションの住み替え資金には、いま住んでいるマンションの売却代金をあてることになります。そのため短期で売ろうと安売りせずに、期間にゆとりをもたせて、納得のいく価格で売買しましょう。

不動産の売却期間は約3~6カ月かかるため、売り出してすぐに売れることはありません。自宅の売却が完了しても引き渡しまでにも時間もかかるため、売却代金が手もとに入ってくる期間も見込んでおきましょう。

売り急ぎや買い急ぎを防げるので、住み替えのスケジュールには余裕をもたせるようにしましょう。