都心の中古マンションは、近年価格が上昇傾向となっており、買い時はいつなのか気になっている方も多いでしょう。一方で、価格は金利動向や需給のバランス、築年数などの条件によって差が生じやすく、すべての物件が同じように値上がりしているわけではありません。
最新データやこれまでの価格推移をもとに、都心にある中古マンションの価格動向を分かりやすく説明します。相場の動きに振り回されず、自分に合った判断をするための考え方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
都心にある中古マンションは今後も値上がり続けるのか

公益財団法人 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータを見ると、首都圏にある中古マンションの成約価格は、長期的に上昇を続けていることが確認できます。
マンションを含む不動産は、供給量と実需、金利などのバランスが変わることで、価格が大きく上下します。そのため、今後も同じペースで上がり続けるとは限りません。
購入を検討している方は物件価格の値上がりだけでなく、購入するタイミングが適切かどうかを確認することも大切です。最新のデータをもとに、中古マンションの価格推移について詳しく見ていきましょう。
都心中古マンションの価格推移

東日本レインズが公表した2026年1月度のデータでは、東京都を中心に成約価格と成約㎡単価が前年の同月を上回っており、高い水準で推移しているのが分かります。
不動産調査会社など複数の民間機関による調査でも、2025年度は東京23区の中古マンションの価格が前年より大きく上昇したと報告しており、中古マンションでも高値で取引されるケースが増えている状況です。
一方で、マンションの成約件数は月ごとに増減があり、すべての物件が同じように売れているわけではありません。
物件価格の高騰から購入を急いだほうがよいと感じる方もいるかもしれませんが、価格だけで判断するのではなく、駅からの距離や築年数、管理状態などを比較しながら検討することが大切です。
参考:REINS TOWER「レインズデータライブラリー」
首都圏マンション価格30年推移
国土交通省が公表している「不動産価格指数」は、2010年の平均を「100」としており、居住用および商業用不動産の価格動向を指数化した資料です(※本記事では住宅用データを参照)
同データを確認すると、マンション価格は2013年から上昇を続けていることが分かります。ただし、日本の景気や金融環境の影響を受けながら、月ごとに価格の上下を繰り返しています。
さまざまな要因で価格は変化するため、今後の価格推移を正確に予測することは難しいでしょう。特にマンション(区分所有)は金融政策の影響を最も受けやすく、他の住宅と比べて価格の振れ幅が大きい点には注意が必要です。
30年という長期で考えると、金利や人口動態、エリアによって価格の差が広がる可能性は高いと考えられます。不動産価格の上昇は永続的に続くものではなく、複数の要因から決まることを理解しておきましょう。
参考:国土交通省「不動産価格指数(令和6年11月・令和6年第3四半期分)」
中古マンションが値上がりする理由
レインズが公表している2026年1月度の「月例マーケットウォッチ」を見ると、東京都は他県と比べて中古マンションの成約件数が多いことが分かります。
そもそもの物件数が多いという前提はありますが、東京都全体で見ると2025年度の成約件数は月平均2,000件前後です。東京都では新築マンションの供給が限られているうえ、建築費や人件費の上昇によって価格が高騰しており、条件の良い中古マンションに注目が集まりやすい状況となっています。
2026年1月のデータでは、首都圏にある中古マンションの成約価格は平均5,493万円となっており、高いと感じる方もいるでしょう。マンションの需要が一定水準ある一方で、新築の供給が限られているため、結果として中古マンションの価格が押し上げられているのです。
参考:REINS TOWER「レインズデータライブラリー」
購入前に知っておきたい市場の考え方
マンションを購入する際、価格だけで決めてしまうと後悔につながる可能性があります。重要なのは、現在の価格水準が自分の資金計画やライフプランに合っているかどうかです。
物件価格のほか、住宅ローン返済額、管理費や修繕積立金、固定資産税など、毎月の支払いまで含めて、無理なく住み続けられるかを考える必要があります。
市場動向を把握しながら、希望条件に合う物件が出てくるまで情報収集を続けたり、予算や優先順位を整理し直したりすることで、判断の精度を高めることができます。
今後のマンション価格の変動を踏まえつつ、自分にとって納得できるタイミングと条件で購入することが大切です。
今後マンション価格はどう動くのか
都心の中古マンションには価格が高い物件もありますが、これからも同じ金額を維持できるとは限りません。マンション価格は、住宅ローンの借りやすさや供給量の変化など、複数の要因により変動するためです。
国土交通省の住宅価格指数を見ても、マンションの価格は上昇を繰り返しながらところどころ下落しています。特に築年数が進んだマンションでは、物件の管理状態や修繕計画の内容によって価格に差が出やすく、市場全体で価格が上昇していても、すべての物件にあてはまるわけではありません。
将来の価格変動も意識して購入を検討するのであれば、快適に住み続けられるかという視点が重要です。価格変動の可能性を踏まえたうえで、立地や管理状態、維持費を含めた総合的な条件で判断すると、売却することになった場合でも後悔しにくくなるでしょう。
将来を見据えた購入判断のポイント
マンションを購入する際は、「将来どのように評価される物件なのか」という視点を持っておくことが大切です。
築年数が経過した際に物件がどのような評価を受けるかは、管理状態や修繕計画などが大きく影響します。現在の価格が同条件の物件と比べて妥当か、将来にわたって極端に評価が下がることがないかを確認しておくことで、購入後の不安を軽減できるでしょう。
購入判断に迷ったときは、将来住み替えや売却を検討することになった場合でも、資金面で問題が生じないかという視点で考えることが重要です。
購入を相談する不動産会社の見極め方
マンションの購入では、どの不動産会社に相談するかによって、物件の質が大きく変わります。確認しておきたいのが、価格の根拠や市場動向について、どれだけ具体的に説明してくれるかという点です。
たとえば、周辺の成約事例や相場感、将来の需給について根拠を示しながら説明できる担当者であれば、購入判断がしやすくなります。一方で、価格の妥当性やリスクに触れず、「今が買い時」とだけ強調する場合は注意が必要です。
物件の立地、管理状態や修繕履歴など、将来の評価に影響しやすいポイントも説明してくれるかが、重要な判断基準になります。1社だけの意見に頼らず、複数の不動産会社に相談して客観的に判断しましょう。
地域別のマンション価格動向の違い(都心と郊外)
レインズが公表している2026年1月度の「月例マーケットウォッチ」を確認すると、東京都と周辺エリアでは、中古マンションの成約件数や価格水準に違いが見られます。
中古マンションの成約件数は、東京都が1,752件と最も多く、月間でも取引が多いエリアであることが分かります。成約価格については、2025年度を通して確認したところ、東京都は6,000万円台で推移しています。このことから、都心部では価格が大きく下落しにくく、高値で推移していくと考えられるでしょう。
一方、埼玉県、千葉県、神奈川県といった郊外のエリアでは、成約件数は東京都の2〜4割程度、成約価格は3〜5割程度となっています。都心部と比べると、価格の動きは比較的緩やかな傾向が見られます。
このように、首都圏でもエリアによって価格動向に違いがあります。購入を検討する際は、エリアでどのような価格推移が起こっているのかも踏まえて判断するとよいでしょう。
参考:REINS TOWER「レインズデータライブラリー」
今は購入に適したタイミングなのか
都心にある中古マンションは高値が続いていますが、今は購入に適している時期なのでしょうか。物件は価格だけで判断すべきではないものの、価格によって購入の可否が変わるのも事実です。
価格動向を踏まえながら、どのような視点で購入タイミングを考えるべきなのかを具体的に説明します。
購入には慎重な判断が求められる理由
マンションの価格上昇が続いていると、「今買わないとさらに高くなるのではないか」と感じ、判断を急いでしまう方もいるでしょう。本来想定していた予算を超えて購入した結果、返済計画に無理が生じるケースも少なくありません。
マンション購入後は、住宅ローン返済に加えて、管理費や修繕積立金、固定資産税などの継続的な支出が発生します。予算を大幅に超えてしまうと、想定以上に毎月の負担が重くなり、家計を圧迫する可能性があります。
マンション購入では目先の相場に引っ張られすぎず、資金計画に合った価格帯で考えることが大切です。購入後のことも考慮して冷静に判断することが、後悔しない購入につながります。
高掴みしないためには不動産会社選びが重要
マンションを適正な価格で購入するためには、どの不動産会社に相談するかも重要なポイントです。エリア内の相場感や市場動向など、分かりやすく説明してくれるかどうかを重視しましょう。
たとえば、周辺エリアの成約事例や、同じマンション内で過去にどのような価格で取引されているか、管理状態や修繕計画が価格にどう影響しているかなど、具体的なデータをもとに説明できる担当者がいるのが理想です。
また、購入者の立場に立って「今は見送ったほうがよい」と、助言してくれるかどうかも大切です。予算の上限まで無理に勧めるのではなく、購入後の返済負担や生活費まで考慮してくれる不動産会社であれば、安心して相談できます。
複数の不動産会社に相談し、それぞれの説明内容や提案の考え方を比べることで、自分に合った物件が見つかりやすくなります。
都心中古マンションは「上昇前提」ではなく「条件別」で判断する
都心の中古マンションは、近年高値で推移していますが、価格の上昇がどこまで続くかは明確には分かりません。マンション価格は、立地や築年数、管理状態に加え、金利政策などの影響で変動します。
購入を検討する際は価格相場だけで判断するのではなく、自分の資金計画に合っているか、無理なく住み続けられるかという視点を持つことが重要です。管理費や修繕積立金を含めた総合的な支出で判断しましょう。
また、将来売却しやすい物件かどうかを意識しておくと、購入後の不安を減らせます。最終的には、丁寧に説明してくれる不動産会社と相談しながら、自分にとって納得できる条件で判断することが、後悔しないマンション購入につながります。
