マンションが高すぎて買えない理由とは?高騰の背景と現実的な選択肢を解説

マンション価格の高騰により、近年は価格面で購入をためらう人が増えています。不動産のポータルサイトでも予算を大きく超えるものばかりが並び、この価格では無理だと諦めてしまう方もいるでしょう。

しかし、価格を基準に判断してしまうと、本来検討できるはずの選択肢を見落としてしまいます。不動産市場の動きや購入する物件の条件を見直すことで、マンションを購入するときのポイントが見えてきます。

マンションが高すぎて買えない現状を分析

マンション価格が高騰している背景には、建築コストの上昇や土地の希少化といった複数の要因が関係しています。

公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ)が公表している、2025年度のマンション市場動向を以下の表にまとめました。

エリア成約価格(平均)
首都圏5,200万円
東京23区7,401万円
埼玉県2,910万円
神奈川県3,832万円

引用元:公益財団法人 東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2025年)

上記のデータによると、中古マンションの成約物件の価格は13年連続で上昇しているとのことです。なぜこれほどまでマンション価格が高騰しているのか、その要因についてわかりやすく解説します。

建築コストが高騰しているため

建設資材が高騰している原因として、世界的な原材料不足や人件費の向上などが挙げられます。

項目上昇率(2021年~2025年)
資材価格38.0%
労務単価22.9%

引用元:一般社団法人 日本建設業連合会 |建設資材高騰・労務費の上昇等の現状

日本建設業連合会が公表したデータでは、2021年〜2025年にかけての資材価格と労務単価の大幅な上昇が確認できます。

また、国土交通省と日本建設業連合会など関係団体による申し合わせの結果、技能労働者の処遇改善として、2025年に賃金水準の引き上げが進められました。

住宅を作るための建設資材や人件費といった「原価」の底上げにより、マンション価格も大幅に上昇しているのです。

好立地の希少性が高まっているため

土地価格の上昇もマンション価格を押し上げている要因の1つです。特に都市部や駅周辺では、新たに開発できる土地が限られており、土地の取得費は一度高値がつくと下がりにくくなっています。

再開発が可能な土地が限られているエリアでは、次のような要因によって地価が高くなる可能性があるのです。

  • 駅徒歩5分圏内の優良地が不足
  • 供給不足による都心物件の希少価値化
  • 再開発エリア全体の地価底上げ

公益財団法人 東日本不動産流通機構が公表している、「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」によると、中古マンションの新規登録数は2年連続で減少しています。

新規登録数(新規でレインズに登録された売却物件の数)が減少傾向ということは、相対的に市場に出回る物件が少なくなっているといえます。

ただし、不動産会社がレインズに登録せず販売をしているケースもあるため、一概に「マンションを売りたい人が減った」と断定することはできません。成約件数は増加していることから、条件の良い物件を中心に売りに出た物件が短期間で成約しているとも考えられます。

投資目的でのマンション購入が増加しているため

マンションは居住目的だけでなく、国内外の投資家や富裕層が資産運用・資産保全の目的で購入することがあります。

投資マネーが日本のマンション市場に流入している背景としては、円安によって海外投資家から見た価格水準が相対的に割安になっていることや、長期的に低水準を維持してきた金利環境が挙げられるでしょう。

特に都心部や駅近など、資産価値が下がりにくいとされるエリアは、国内外の投資家や富裕層も注目しており、新築マンションの平均価格が1億円を超えるケースも出てきています。

マンションが高すぎて買えない場合の選択肢

エリアによっては、マンションが高すぎて買えないというケースがあるかもしれません。しかし、物件種別や条件を見直すことで、理想のマイホームを手に入れることが可能です。

予算内でマンションを購入するための選択肢をご紹介します。

新築ではなく中古マンションを検討する

最も現実的な選択肢は、購入価格を抑えられる中古マンションの購入を検討することです。

公益財団法人 東日本不動産流通機構のデータでは、中古マンションの成約価格の平均は2025年で5,200万円となっています。

中古マンションは、新築マンションと比較して物件の選択肢が多くなります。また、購入前に部屋の状態を確認できる点は、新築マンションにはないメリットといえるでしょう。

さらに、リノベーションやフルリフォームを行うことで、自分好みの内装に変更することも可能です。「新築」に住むメリットも多いですが、予算に応じて中古物件を視野に入れるのもよいでしょう。

マンションに求める条件を見直す

駅からの距離や専有面積といった希望条件を変更するだけで、物件価格を大きく下げることができます。

特に「駅から徒歩5分以内」という立地条件は希望する人が多く、購入価格の相場が高額になりがちです。具体的な条件変更の例を以下にまとめました。

  • 駅までの徒歩分数を「5分以内」から「15分以内」へ変更
  • 希望面積を「70㎡以上(3LDK)」から「60㎡台(2LDK)」へ変更
  • 主要な駅から「各駅停車しか止まらない駅」や「隣の駅」へ視野を広げる

たとえば、駅から徒歩15分圏内まで範囲を広げることで、物件価格の1〜2割程度は安いところが見つかるでしょう。

バスの本数が充実しているエリアや、駐輪場が駅の周辺にあり自転車で通勤できる立地であれば、駅までの距離が遠くても生活利便性を大きく損なうことはありません。自分や家族が求める条件に優先順位をつけ、妥協できるポイントを探すことが大切です。

金利の低い金融機関を選ぶ

マンション価格が高騰していても、住宅ローンの条件によっては購入できる場合があります。

2025年12月の日本銀行の利上げを受け、一部の金融機関では住宅ローンの固定金利が2%台半ばまで上昇していますが、金融機関や商品によって金利には差があります。

複数の金融機関を比較し、少しでも金利の低いローンを選ぶことで、毎月の返済額や総返済額を抑えることが可能です。

仮に、借入額6,000万円で返済期間が35年の場合、金利が0.5%から1.5%に上昇すると毎月の返済金額は以下のように変化します。

金利月額の返済金額(元利均等返済)
0.5%155,751円
1.5%183,710円

金利が1.0%上昇することで、27,959円も上昇する結果となりました。金利が上昇しても無理なく返済できるように、金融機関の選択は慎重に行いましょう。

一戸建ての購入や賃貸物件も選択肢に入れる

マンションが高すぎて買えないという方は、一戸建てや賃貸物件への居住も含めて検討することで、同じ予算でも住まいの選択肢が広がります。

特に建物と土地を同時に購入できる建売住宅は、土地の活用方法が柔軟なため、価格上昇が比較的緩やかです。

マンションと比べた場合、一戸建てには次のような特徴があります。

  • 管理費や修繕積立金などの固定費が毎月かからない
  • 同じ予算でも床面積を広くすることが可能

条件に合うマンションがすぐに見つからない場合は、無理に購入せずに一定期間は賃貸に住むという判断も現実的な選択肢です。将来的に条件に合う物件が出たときに備え、十分な資金を準備しておくことで、より希望に合った物件の購入につながります。

マンションを購入するうえで意識すべきタイミング

マンション価格が高いと感じる金額でも、売却時の価格次第では利益になるかもしれません。

マンションをどのタイミングで購入するべきかを2つの観点から解説します。

マンションの市場動向が落ち着いているとき

マンションを購入するタイミングとして最適なのが、不動産市場が比較的落ち着いているときです。

マンション価格が高騰しているときや、金利の上昇が見込まれるときなどは、値下がりを期待して待ち続けるにはリスクがあります。土地の価格や建築費などの原価が底上げされていると、数年待っても価格が以前の水準に戻る可能性は極めて低いからです。

価格の下落を待つのではなく、市場動向が落ち着いたタイミングでの購入を視野に入れましょう。

具体的には、マンションの物件数が増えていて価格上昇が鈍化しているときや、自身の年収アップにより金利上昇でもローン返済に問題がないときが購入のベストタイミングです。

自分のライフステージが変わるとき

マンションの価格上昇がいつ落ち着くのかは、誰にも判断ができません。そのため、価格を基準に購入を判断するのではなく、ライフステージの変化を軸に検討することが重要です。

家族構成の変化によって今より広い住まいが必要になったときや、通勤・通学の関係で居住エリアを変更したいときなどは、マンション購入を検討するタイミングといえます。

購入後にマンション価格が多少変動したとしても、暮らしやすさや生活の安定につながるのであれば、購入は合理的な判断だったといえるでしょう。

人生設計に合わせて、生活の質が向上するマンションを選ぶことが大切です。