- 都心6区の価格が高騰している理由と、その背景にあるデータと現場の動き
- 中古マンション価格がどう決まり、今後どのように変化していくかの見通し
- 2025年の不動産市場における“買い時”や注目エリアの見極め方
本記事は、私、一心エステート株式会社 代表・高田とマンションリサーチ株式会社 不動産データ分析責任者・福嶋氏によるYouTube対談の内容をもとに、不動産売買の最新動向をわかりやすくまとめたものです。
都心6区の価格高騰を中心に、マンション市場のリアルな変化や今後の予測を「データ」と「現場」の両面から深掘りしています。
目次
第1章:価格高騰が進む注目エリア、都心6区
都心6区とはどんなエリア?
高田(以下、高田):
今回のテーマは「都心6区」。私たち一心エステートでも、不動産取引の中心エリアとして力を入れている場所ですが、価格高騰が激しいことでも知られています。今日は、マンションリサーチの福嶋さんをお招きして、データの視点からこのエリアの動きを掘り下げていきたいと思います。福嶋さん、まずは自己紹介からお願いします。
福嶋(以下、福嶋):
はい、マンションリサーチでデータ分析の責任者をしている福嶋と申します。住居用不動産に特化したマーケティング支援や、売買動向の可視化などを手掛けています。弊社は日々膨大な取引データを扱っていて、特に「都心6区」の動きには注目しています。
高田:
「都心6区」って、実はあまり聞き慣れない方も多いかもしれませんね。
福嶋:
そうですね、ざっくり言うと「山手線の内側にある、東京の中枢エリア」ですね。具体的には、千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区の6つです。ビジネス・商業・住宅が密集している中心地で、ここ数年、特に再開発が進んでいます。それに伴って、不動産価格の上昇が著しいエリアです。

高田:
一心エステートとしても、この6区はまさに得意とするエリアです。地元密着でお手伝いしてきたからこそわかる“現場の肌感”と、福嶋さんのような“データの裏付け”が合わさることで、よりリアルな情報をお届けできるんじゃないかと思っています。
福嶋:
実はこの都心6区の動向って、全国的な不動産トレンドの縮図とも言えるんです。テレビやメディアでよく「不動産価格が高騰」と言われますが、それって実はこの6区が価格を強く引っ張っているだけ。23区全体で見ると、そこまで価格が伸びていないエリアもあるんですよ。
高田:
なるほど。確かに、「東京の平均価格」って言われると、都心6区のデータも全部含まれてるんですよね。だからこそ、内訳を知ることが大事ですね。
福嶋:
はい。昔は「このエリアの今後の価格はどうなるか?」を予測するのが本当に難しかったんです。理由は、取引件数が少なかったり、エリア独自の動きを把握するためのデータが不足していたから。でも今は、販売期間や値下げの回数といった“現場のリアルな動き”を数値化することで、より実態に近いデータが見えてきました。
高田:
これは現場感覚に近いですね。僕らも実際、売れるまでの期間が以前より短くなっていたり、「内覧が何件入るか」で肌で感じる動きがあって。それがデータで見えるようになったのは面白いと感じます。
福嶋:
こうした分析によって、都心6区とその他のエリア(たとえば城南・城北エリアなど)との違いや、今後のトレンドの“予測”まで可能になってきたと思っています。
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一心エステートが提供する「都心6区に特化」したマンション市場動向データ。毎月の最新成約価格・募集件数・成約件数がわかります
第2章:マンション市場の現在地
不動産データで読み解く2024年
高田:
さて、ここからは「2024年のマンション市場」について掘り下げていきましょう。都心6区の価格高騰はすでにお話しましたが、全体で見ると、直近はどんな動きがあるのでしょうか?
ちなみに、一心エステートでは都心マンションの最新データをまとめた「都心マンションアナリティクス」も公開中です。市場の“今”を数字で見たい方は、こちらもぜひ参考にしてください。
福嶋:
2024年は、“価格の二極化”がより一層進んだ年だと思っています。実はコロナ禍(2020~2021年)から不動産価格は徐々に上がり始めていたんですが、その時期は供給不足もあって、需要が相対的に強くなった影響が大きかったんです。
高田:
あの頃は本当に物件が少なかったですよね。
福嶋:
そうなんです。でも2023年あたりから供給も戻ってきて、バランスが取れてきたはずなのに、それでも価格はさらに上がった。そして2024年に入ってから、想定以上の“急加速”が起きました。
高田:
体感としても、確かに「急に上がったな」と感じる場面が多かったです。
福嶋:
特に都心6区のような一部エリアは上がり続けている一方で、郊外エリアや地方都市は価格が落ち着いてきている。たとえば埼玉県内でも、大宮や川口のような人気エリアは横ばい、もしくはやや下がり気味。ただ「さいたま新都心」だけはスポット的に伸びているような感じです。
高田:
そう聞くと、23区内とそれ以外の差がだいぶ開いてきてる感じですね。
福嶋:
在庫データを見てもそれははっきりしていて、東京都は一定の供給バランスを保っているんですが、周辺エリアは在庫が増加傾向にあるんです。
高田:
ほかの大都市圏はどうですか? 大阪や名古屋あたりは?
福嶋:
全国的に見ると、大阪市と福岡市は上昇基調。名古屋市は横ばい傾向です。どの都市も、上がっているのは「本当に一部の人気エリア」だけ。それ以外はすでに落ち着いていて、「今後上がる理由が見つからない」というのが正直なところです。
高田:
なるほど。これまで上がってきたけど、いよいよ“限界”に近づいてきてる感じですね。
福嶋:
まさにその通りです。たとえば、2024年のレインズタワーレポート(業界向け市場データ)を見ても、成約価格は下がり始めているのに、在庫数や新規登録物件の価格はどんどん上がっているという、ちょっと矛盾した動きが出てきています。
高田:
なるほど。それってつまり、「売りたい人の希望価格が高いけど、実際にはなかなか売れてない」ってことですよね?
福嶋:
そうです。それに加えて、高額物件についてはローンの現実的な限界も近づいてきている印象があります。
現場の感覚から見る“高騰の実感”
高田:
僕らの現場の肌感覚としても、東京都心部の価格上昇はすごく感じています。たとえば、2024年は日経平均株価が1月には33,500円前後だったのが、12月末には4万円近くまでいきました。不動産価格もそれに呼応するかのように、ぐっと上がった印象です。
福嶋:
そういう“投資マネーの影響”も確かにありますね。
高田:
ただ、価格が上がりすぎて「手が届かない価格帯」に来てるっていう実感もあります。購入意欲がある人は多いんですが、「買えるか」と「買いたいか」は別の話になってきてるなと。
福嶋:
実際に消費者の側も、不動産価格に追いつけていないように見えます。加えて金利の上昇リスクや、ローン返済の家計負担も大きな要素です。
高田:
それでも、金融機関側は「なんとか買えるように」って動いてるんですよね。最近は、
- 40年〜50年ローン
- 住宅ローンの上限が4億円まで拡大した銀行も
- フラット35で夫婦2本立てのペアローンで上限1億6,000万まで可能
…と、かなり柔軟な仕組みが出てきています。
福嶋:
でも、ローンを組めることと、実際に返済できることは別問題ですからね。
高田:
本当にそうですね。実際、ウチでも住宅ローン4億円の案件を取り扱ったことがあります。こういう取引が成り立つのは、やっぱり「富裕層が集中している都心6区」だからこそだと思います。
福嶋:
だからこそ、今の価格帯で動いているのは、ある程度余裕のある層か、投資目的の購入者が中心。それ以外のエリアでは、価格の高止まりに対する限界が見えてきていると感じますね。
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第3章:中古マンション価格を左右する!“新築の存在感”
新築マンションがもたらす価格インパクト
高田:
さて、第3章では「中古マンション価格に影響を与える要素」について見ていきましょう。結論から言うと、それはズバリ“新築マンションの存在”です。福嶋さん、最近話題になったエリアといえば…?
福嶋:
やはり高輪ゲートウェイ周辺ですね。山手線の新駅として注目されたこのエリア、実は駅が発表された時点で価格が上がったんです。その後、周辺の再開発や「リビオタワー品川」の新築分譲が発表されたあたりから、周囲の中古マンションの在庫が一気に減ったんですよ。

高田:
やっぱり「新築が出る」という情報だけでも、周辺エリアの動きは変わりますね。現場でもよくあるのが、「いくらくらいで新築が売り出されるのか?」を見てから自分の物件を売りたい、という“売り控え”のケース。
一方で、「新築の価格が高すぎるなら、中古でもいいから住み替えたい」という動きも増えています。特に、築年数の経った物件に住んでいる方が「せっかく今売れるなら、今より広い物件に移りたい」「もう一部屋増やしたい」と考えるケースもあり、新築の価格帯が“市場の基準”として意識されていると日々感じています。
福嶋:
ただ一方で、新築マンションの供給そのものが減っているという現実もあります。たとえば港区でも、最近動きが見られるのは「麻布十番」「麻布台」「三田」あたりくらい。山手線内側でも新築が立ちづらくなってきている印象です。
高田:
理由はシンプルで、開発できるようなまとまった土地が、もうほとんど残っていないという現実があります。たとえば、2030年までに計画されている開発はある程度出てきていますが、それ以降となると情報が出ていない。出せていないのか、仕込み自体が進んでいないのか…という状況なんですよね。
一部では2030年前後に品川や東京駅周辺での開発が期待されているんですが、それ以外の都心部は、現時点では具体的な話があまり聞こえてこないんです。
そうなってくると、デベロッパーも動きを変えてきていて、「都心で新築が出せないなら、別のエリアで勝負しよう」という流れが加速しています。たとえば最近では、水戸駅前で2億円の新築タワーマンションが登場したり、神奈川県内でも同様のプロジェクトが進んでいるなど、地方都市や副都心と呼ばれるエリアでの高価格帯物件の動きが目立ってきています。
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建築費高騰という根本的な課題
高田:
さらに新築価格に直結するのが、「建築費の高騰」です。工事費用はここ5年で1.3倍くらいにまで上がってます。ハウスメーカーの事例で言うと以前は坪80万円くらいで建てられていたものが、今は坪150万円以上になることもザラです。
福嶋:
倍近いですね、それは…。
高田:
新築マンションでいうと、坪単価200〜300万円くらいはかかっているんじゃないでしょうか。それだけ費用がかかるということは、「高く売らないと割が合わない」。デベロッパー側も苦しいですよ。
福嶋:
どうしてそこまで上がってしまったんですか?
高田:
要因はいくつもあって、まずは物価の上昇、それに加えて人件費や資材の運送費の増加。現場のコストカットも限界に来ています。そしてもうひとつ大きいのが、竣工直後に建築費を払わないといけないという点。だから、体力のある大手デベロッパーでないと新築マンションは建てられない状況になってきています。
福嶋:
結果として「新築は高くなる」し、「中古も引っ張られる」、でも「買える人は限られる」という構図なんですね。
高田:
その通りです。新築が市場に与える影響はとても大きい。だからこそ、中古マンションを検討する方も“新築価格動向”を見ておくことは重要だと思っています。
第4章:気になる!マンション価格はどう決まる?
プロが教える価格相場の“本当の読み方”
福嶋:
「マンションの価格って、どうやって決まっているのか?」というご質問をよくいただきます。これはひと言で言うと、不動産取引データをベースに、過去の成約価格・現在の市場動向・需要と供給のバランス、そして経済状況などを総合的に見て導き出される“相場観”なんです。あくまで平均的な目安なので、個別の事情までは完全に反映されているわけではありません。
加えて、最近のトレンドとしては、過去の成約価格に“上乗せ”される価格で売れるケースが非常に多いです。直近の価格より下がることは、今の市場ではほぼないと見ています。
「適正価格はいくらですか?」と聞かれることも多いんですが、過去と同じか少し下がっている=お得という感覚で見る方もまだまだ多いです。でもそれは少しズレていて、目の前の価格だけで判断するのではなく、数ヶ月後・数年後にどうなるかという視点が重要です。だからこそ、高田さんのような現場をよく知るプロに相談することが大切だと思います。
高田:
ほんとにその通りで、この15年〜20年、不動産価格は右肩上がりできています。景気は軟調と言われることもありますが、株価が上がる → 賃金も上がる → 物価も上がる → 不動産価格も上がる。この構造は連動しているんですよね。
福嶋:
なるほど。じゃあ、金利が上がって購買力が下がったら、不動産価格も下がるんじゃ?と思いがちですけど…。
高田:
それも誤解されがちなんですが、金利が上がるということは=景気が良くなっている兆しなんです。つまり、金利が上がる→景気が回復→不動産価格も上昇という流れが生まれやすい。インフレ政策に沿った動きなので、長期的に見れば価格は下がる要素より、上がる要素のほうが強いというのが私の見立てです。
この価格、どうやって決まったの?売却価格のカラクリ
福嶋:
私たちはデータから分析していますが、実際の売却背景や売主の心理までは読み取れません。売り出し価格って、どうやって決めているんでしょうか?
高田:
まず前提として、売り出し価格とは“売主が希望する価格”であって、市場価格とは必ずしも一致しないんです。設定の際には、
- リフォームの有無
- どれだけ急いで売るか
- 売主の事情や資金計画
…といった要素も大きく関わってきます。だから、相場より高めに設定されることも時にはあり、そこから交渉で価格が決まるということもあります。もちろん、適正な価格設定がされていることも多いです。
高田:
価格を決めるときに私たちが見るのは、まず同一物件の成約事例。次に類似物件の取引事例で、これは同じ駅、もしくは似た条件の駅で、駅距離や築年数が近いもの。そして同じくらいの広さの物件を見ます。意外かもしれませんが、査定の初期段階ではグレードやブランドはあまり加味しないですね。あくまで「比較対象として成り立つか」がポイントです。競合物件との細かい比較の際に、グレードやブランド力で優位にたてるかどうかは、重要なポイントなので、最終的にはブランド力を加味した価格になります。
福嶋:
逆に、同一物件の成約事例がないと、価格設定が難しいこともありますよね。そうなると“割安”に見える価格で出てくるケースも…。
高田:
そうですね。全くデータがない場合、新築時の販売価格に対して、エリアの上昇率をかけて試算することが多いです。たとえば、新築時9000万円だったマンションAの隣に、2年後に9500万円でマンションBが新築されたとすると、Aの価格もそれに引っ張られて上がることがあります。
例えば「白金ザ・スカイ」という物件は、販売当初は坪単価550万円前後だったんですが、3年後の引き渡し時には坪1000万円にまで上昇しました。これは周辺で「三田ガーデンヒルズ」「シティタワー麻布十番」などの超高額物件が次々に出た影響です。
高田:
そしてこの構造、都心では特に顕著です。新築が市場を引っ張る“プライスリーダー”になっていて、新築が建てば人が集まり、中古にも需要が波及する。今は新築が完成してから一斉に売り出すのではなく、市況を見ながら段階的に販売を進めるスタイルに変わっています。
福嶋:
価格に対して「指値」を入れる人もまだいますが、それでは買えない時代に入ってきてますよね。
高田:
今は売主が強い市場です。とくに東京では、売り急ぐ理由も少ないですから、「条件の合う買い手が現れるまで待つ」という姿勢の売主様も多く、価格交渉は難しい局面が増えていますね。
あと、ひとつ大事なことは、「買った瞬間に得をする物件」は今の市場にはほぼ存在しないということ。重要なのは、5年後・10年後にどれくらいの価値になるか。一時的に価格が落ちること(震災や経済ショックなど)はあっても、長期的に住む前提であれば、「資産性+居住性」のバランスを見ながら購入するのがベストだと思っています。
プライスリーダーは誰か?
高田:
この先の不動産市場でも、価格形成の主導権は当面、新築マンションが握っていくでしょう。ただし、その新築が出にくくなってきている。そうなると、今後は中古マンションの中でも“象徴的な物件(シンボリックマンション)”が相場を作っていく時代が来ると見ています。
日本の不動産評価の基本は「取引事例比較法」なので、売却事例がある物件の影響力が強い。エリアで強い存在感を持つ中古マンションがプライスリーダーになることも、今後は十分に起こり得ます。
福嶋:
ミクロに見れば見るほど、データの精度には限界がありますからね。だからこそ、信頼できるシンボリック物件の事例に頼る傾向が強まっていくのは自然な流れかもしれません。
第5章:2025年の未来予測。中古マンション市場はどうなる?
データ、現場目線で語る2025年の予測
高田:
さて、いよいよ最後のテーマ。2025年、中古マンション市場はどう動いていくのか?──福嶋さん、データの観点から見た来年の予測、どうですか?
福嶋:
一言で言えば、“二極化の流れは続く”と思っています。2024年に明確になった都心と郊外の差、それが2025年も引き継がれると見ています。
具体的には、東京23区、特に都心6区は引き続き強い。さらに、大阪市や福岡市も底堅い動きが続きそうです。一方で、それ以外のエリアでは価格の高騰が落ち着き、安定に向かう流れになるかと。
高田:
やっぱり都心6区は“別次元の市場”になってきていると感じています。私の肌感覚でも、2025年もこのエリアは大躍進を遂げるんじゃないかと予想しています。
もちろん、リスク要因がまったくないとは言いません。たとえば昔でいう山一證券のような金融ショックが起きれば、さすがに影響は出てくるでしょう。でも、そうした極端な事態が起きない限り、都心の価格はこれからも力強く推移していくと思います。
さらに、アメリカでトランプ氏が大統領に再就任します。いまアメリカ経済は絶好調ですから、当然、日経平均もその影響を受けて上がっていくはず。そうなれば、日本の不動産市場も引っ張られる形で好調を維持すると見ています。
そして、日本国内でもインフレ政策を推し進めている以上、不動産価格だけを抑え込むことはできない。むしろ、海外の視点から見れば、日本の不動産はまだまだ“割安”。この価格帯でも、海外投資家にとっては十分に“買い”の水準なんですよね。
福嶋:
なるほど。やっぱり価格の裏には、需要と供給のバランスがあるわけですね。
高田:
そうなんです。たとえば新築は供給数が減ってきていますが、「欲しい」というニーズは変わっていない。だから、需給バランスの不安定さが価格を押し上げているという構造は2025年も継続すると見ています。
高田:
さらに、建築費の高騰も止まりません。東京都の最低賃金はこの1年で50円引き上げられましたし、石破総理は2030年までに全国平均1500円を目指すとしています。
これにより、人件費・建築資材・運送コストすべてが上昇。つまり、建築コストが下がる見込みはほぼないです。
そしてその負担は新築価格に反映され、それがまた中古市場にも波及するわけです。
福嶋:
2025年も、価格が上がる要因はしっかり揃っているということですね。
高田:
そう思います。もちろん、個別エリアによって状況は変わりますし、購入者の目的も「自宅として」「資産として」など様々。だからこそ、私たちのような現場のプロが、最新データとリアルな市況を照らし合わせながら、お客様にとっての“ベスト”をご提案していくことが大事なんだと思っています。
高田:
来年もまた、福嶋さんのようなデータの専門家と一緒に知見を深めながら、価値ある情報を皆さんに届けていきたいと思っています。2025年も、しっかり市場を読みながら、前向きに進んでいきましょう。
※本記事は、2025年3月20日時点の情報に基づき、YouTube対談の内容を再構成したものです。実際の対談動画は、こちらからご覧いただけます。
対談者プロフィール

福嶋 真司(ふくしま しんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室 不動産データ分析責任者
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。

高田 一洋(たかだ かずひろ)
一心エステート株式会社
代表取締役 不動産コンサルタント
1983年福井県生まれ。金沢大学工学部を卒業後、大手コンサルティング会社に入社、4年間、新規事業の立ち上げや不動産会社のコンサルティング業務に従事する。
その後、当時の取引先リストグループに惹かれ入社。不動産売買仲介営業・営業管理職・支店長を経て、さらなる理想を追求するために一心エステートを創業。創業当初から金融機関・不動産会社へのコンサルティングを行い、ARUHI住み替えコンシェルジュでセミナー講師などを務める。
豊富な不動産知識に加え、20代で身に付けたコンサルティング技術、ファイナンス(お金・投資の知識)をもとに、東京都心の不動産仲介実績を積み上げている。
2023年に著書「住んでよし、売ってよし、貸してよし。高級マンション超活用術: 不動産は「リセール指数」で買いなさい」(みらいパブリッシング)を出版。