マンション売却での内覧成功の秘訣。ハウスクリーニングは必要?

マンション売却では、内覧が成約の可否を左右する重要なポイントになります。

内覧から成約までの流れや目安となる件数、反響が少ない場合の原因と対策を解説します。

マンション売却の内覧に関する基礎知識

マンション売却時の内覧は、購入希望者が「住むかどうか」を判断する重要な機会です。ここでは、内覧の流れや件数の目安、内覧がこない場合の対策を解説します。

内覧を申し込まれてから成約するまでの流れ

マンションの売却において、内覧は購入希望者が実際に物件を確認し、購入を検討する重要なステップです。内覧の申し込みから成約までの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 内覧の申し込み:購入希望者が不動産会社に内覧の希望を伝えます。
  2. スケジュール調整:不動産会社が売主と連絡を取り、内覧の日時を調整します。
  3. 内覧の実施:購入希望者が物件を見学し、設備や間取り、周辺環境などを確認します。
  4. 条件交渉:購入希望者が購入を希望する場合、価格や引き渡し時期などの条件交渉を行います。
  5. 売買契約の締結:双方が条件に合意すれば、売買契約を締結します。

このプロセスをスムーズに進めるためには、内覧前の準備や当日の対応が重要です。

目標にするべき内覧件数

マンション売却で目指すべき内覧件数の目安は、1カ月に3件程度です。東日本レイ

ンズの2020年の首都圏不動産流通市場の動向データによると、中古マンションの登録から成約までの平均期間は約88日(約3カ月)です。内覧件数は平均10件とされています。

これを踏まえると、1カ月で3件の内覧があれば、売却活動が順調に進んでいると考えられます。ただし、件数よりも内覧の質が重要です。1件目で成約することもあるため、目安として意識しましょう。また、内覧が一定数あっても成約しない場合は、不動産会社と協力して原因に応じた対策を検討しましょう。

マンション売却で内覧がこない原因と対策

内覧の申し込みが少ない場合、以下のような原因が考えられます。

価格設定が適切でない

物件の価格が市場相場と比較して高すぎる場合、購入希望者の関心を引きにくくなります。周辺の類似物件の価格を参考に、適切な価格設定を行いましょう。

広告の内容や掲載方法に問題がある

物件の魅力が十分に伝わっていない広告や、掲載媒体が限られている場合、内覧希望者が集まりにくくなります。写真の質や情報の充実度を見直し、広く情報を発信することが大切です。

不動産会社の販売活動が不十分

不動産会社が積極的に販売活動を行っていない場合、内覧希望者が集まりにくくなります。販売活動の状況を確認し、必要に応じて不動産会社の変更を検討しましょう。

媒介契約の種類を見直す

内覧が少ない場合、媒介契約の種類を見直すことも有効な対策の1つです。媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

  • 専属専任媒介契約:1社の不動産会社にのみ依頼し、自分で買主を見つけることはできません。その分、不動産会社が販売に注力しやすく、販売状況の報告義務も1週間に1回以上あるため活動の透明性が高いです。「媒介を結んでいただけるなら、床のへこみは無償で修繕します」といった、契約を条件に不動産会社が対応を優遇する「交換条件」が提示されることも。うまく活用することで、物件の印象を改善し内覧数を増やせる可能性があります。
  • 専任媒介契約:1社にのみ依頼しますが、自ら買主を見つけることも可能です。2週間に1回以上の報告義務もあります。
  • 一般媒介契約:複数の不動産会社に同時に依頼できる自由度の高い契約ですが、各社の販売活動が分散しやすく、報告義務もないため、活動状況の把握が難しい面もあります。

反響が思うように得られない場合は媒介契約の種類を見直し、不動産会社との関係性や優遇条件も踏まえながら、内覧を呼び込む工夫を行うとよいでしょう。

不動産会社を変える場合の選び方 

不動産会社を変更する際は、以下のポイントを参考に選定しましょう。

  • 販売実績の確認:過去の販売実績や成約率を確認し、信頼性の高い会社を選びましょう。
  • 販売戦略の提案力:状況に応じた販売戦略を提案できる会社を選ぶことが重要です。
  • 買取と仲介の両方に対応:市場での売却(仲介)と、スピード優先の買取両方を提案してもらえると、状況に応じた柔軟な判断ができます。

希望や売却状況に合った会社とパートナーシップを組むことで、内覧数の増加やスムーズな成約につながる可能性が高まります。

内覧から成約につながらない原因と対策

内覧が入っても成約に至らない場合は、物件そのものの印象が原因となっていることがあります。具体的な対策を見ていきましょう。

室内の清掃や整理整頓が不十分

内覧時に室内が散らかっていたり、ほこりや汚れが目立つ状態では、購入希望者に「管理が行き届いていない」という悪印象を与えてしまいます。特に玄関やリビングなどの第一印象に関わる場所は念入りな清掃が必要です。

キッチンや浴室の水アカ、トイレの汚れ、リビングのほこりなどは意外とチェックされやすいため、プロの清掃業者に部分的なクリーニングを依頼するのも1つの手です。また収納スペースの中まで確認されることがあるため、物を詰め込むのではなく「整っている印象」を意識すると好印象につながります。

室内の明るさや換気が不十分

内覧時に室内が暗かったり、空気がこもっていると、物件の印象が大きく損なわれてしまいます。特に天候の悪い日や夕方の時間帯は、日差しだけに頼らず照明をすべてつけて、室内全体を明るく見せる工夫が大切です。

また、生活臭や湿気が気になる空間では、事前にしっかりと換気を行うことも重要です。観葉植物や明るめのカーテンを使って視覚的な開放感を演出するのも効果的でしょう。照明の色や配置を少し工夫するだけでも、室内の印象が大きく変わることがあります。

匂いなどの環境要因

室内に残る匂いは、第一印象を大きく左右する要素の1つです。ペットやたばこの臭い、カビや生活臭が強い場合、購入希望者にとって大きなマイナス要因になりかねません。内覧前には消臭剤や空気清浄機を使って匂い対策を行いましょう。

マンション売却の内覧でハウスクリーニングは必要?

内覧時の印象を良くするために、ハウスクリーニングを活用するのは効果的な選択です。室内が清潔であれば第一印象が良くなり、値引き交渉の回避や早期成約にもつながります。費用は2LDK〜3LDKのマンションで5〜10万円ほどが相場で、水回りや床の清掃が中心です。

売却前や内覧前に依頼するのが理想ですが、費用対効果が見合うかどうかは状況によります。迷う場合は、不動産会社の担当者に相談し、状況に応じた判断をするのがおすすめです。