月島はもんじゃの街としても知られており、下町のイメージがある方もいるかもしれません。
しかし、近年の再開発によりいくつも大規模なタワマンが建設されています。
利便性が良いエリアではありますが、タワマンの住み心地は実際どうなのでしょうか。
月島の住みやすさや特徴、大規模開発事情や地価公示、マンションの価格相場、人気のタワマンについて詳しく解説します。
目次
月島の住みやすさ、特徴
月島は、東京湾につながる隅田川の河口に造られた埋立地です。
かつては造船業を中心とした工業地帯として栄えていましたが、高度成長期が終わりを迎えると造船業は急速に衰退していきます。
そして、工場跡地には戸建てやマンションなどが建設されるようになりました。
一方で、月島は関東大震災や第二次世界大戦で壊滅を免れたという歴史があることから、今なお昔ながらの下町の風情が残っています。
「月島もんじゃストリート」では、昔懐かしい風景と高層ビルが入り混じった独特の街並みが見られます。
交通の便の良さが魅力
月島の主要駅である月島駅には、東京メトロ有楽町線と都営大江戸線の二線が乗り入れています。
東京メトロ有楽町線を利用すれば、銀座一丁目や有楽町、永田町などに乗り換えなしでアクセスすることが可能です。
また、都営大江戸線を利用すれば、汐留や六本木、代々木、新宿などにもスムーズに足を運べます。
これら二線はほかの路線との乗り換えが便利なことで知られているため、月島は利便性が良いエリアと評されています。
生活利便性の高いエリア
月島は各方面へのアクセスがよい場所と説明しましたが、生活利便性も良好なエリアです。
月島駅から徒歩9分のところにある「晴海トリトンスクエア」は、アパレルやグルメ、書店、スーパーなど多種多様なショップが入っており、生活に必要なものを一通りそろえられます。
また、月島駅から徒歩圏内にある月島西仲通り商店街、通称「もんじゃストリート」には、月島名物であるもんじゃ焼きのお店が30店舗以上軒を連ねています。
もちろんもんじゃだけでなく、精肉や鮮魚、雑貨などの店も点在しており、食料品や日用品の買い出しにも便利です。
このように、月島駅からほど近いところにさまざまな店舗が存在するため、日常の買い物に困ることはないでしょう。
月島駅周辺で再開発計画が進行中
工業地帯から住宅街へと生まれ変わる過程で、さまざまな再開発が行われてきた月島ですが、その計画は今もなお進行中です。
特に近年注目されているのは、月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業です。
文字通り、月島三丁目南地区の再開発を目的とした事業で、地上48階建てのタワマンの建設が予定されています。
再開発事業はA敷地とB敷地の2つに分かれており、A敷地には前述したタワマンが建設され、B敷地には商業施設や保育所が入る建物を建設中です。
再開発事業はすでに着工済みで、2028年竣工予定となっています。
一方、月島三丁目北地区にも再開発の予定があります。
具体的な内容としては、もんじゃストリートに面する場所に、地上58階建てのタワマンを中核としたA地区と、障害者グループホームなどをメインとしたB-1地区、住宅などを中心にしたB-2地区で構成されます。
A地区のタワマンの住戸数は約1,300戸で、商業施設や保育所、デイサービスなども含まれる予定のため、住環境の向上が期待されているようです。
北地区再開発は2026年竣工予定であるため、月島駅周辺の様子は今後大きな変貌を遂げることが予想されます。
また、再開発により周辺エリアの不動産の資産価値向上も期待できそうです。
参考:三井住友不動産「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」
月島の地価公示、マンション価格相場
交通アクセスや生活利便性のよいエリアとして注目されている月島ですが、実際の地価公示やマンション価格相場はどうなっているのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
地価公示
国土交通省「不動産情報ライブラリ」における、直近3年における月島エリアの地価公示は、100万〜165万円/m²です。
月島2丁目、3丁目が中心ですが、2丁目の地価公示が100万~111万円/m²であるのに対し、3丁目エリアは133万~165万円/m²と割高になっています。
前述した通り、3丁目エリアは近い将来に再開発が予定されているため、2丁目よりもやや地価公示が高めになっているのかもしれません。
マンション価格の相場
東京地下鉄有楽町線の月島駅周辺における、直近1年以内に成約されたマンション価格の相場は、5,200万~2億9,800万円です(2025年1月時点)。
最安値のマンションは、1DKで専有面積約35~40m²と一人暮らし向けのコンパクトな物件であり、築年数も経過していたことから、手頃な価格で売買されたようです。
一方、約3億円で取引されたマンションは、間取りは2LDKであるものの、専有面積が95~100m²とかなりゆとりのある物件でした。
専有面積の広さや、マンション自体の付加価値(共有施設やサービスなど)により高くなったのではないかと想定されます。
このように、同じ月島エリアのマンションでも価格帯に大きな幅があるため、タワマンを購入するのであればニーズや目的、家族構成などに合った物件を選ぶことが大切です。
将来売却を想定している方は、地理的な条件などに適した売却価格を設定することが重要なポイントとなるでしょう。
月島で人気のタワマン3選
月島エリアには再開発で建設予定の物件を含め、複数のタワマンが点在しています。
月島にある人気のタワマンとその特徴を詳しくご紹介します。
ミッドタワーグランド
ミッドタワーグランドは、月島1丁目にある地上32階建てのタワマンです。
月島駅からわずか2分の好立地にあり、徒歩圏内にスーパーやもんじゃストリート、クリニックなどがある生活利便性の高さが大きな魅力です。
一方で、美しい緑や豊かな水に触れられる隅田川テラスが徒歩圏内にあり、自然を感じられる住環境となっています。
共用スペースとして、最上階には2層吹き抜けで開放感があるスカイラウンジ、街並みを一望できるフィットネススタジオのほか、岩盤浴やゴルフレンジなどが利用可能。
施設内の施設が充実しているので、日々の疲れを癒したり健康的に汗を流せたりできます。
参考:三井不動産グループ「MID TOWER GRAND」
キャピタルゲートプレイス ザ・タワー
キャピタルゲートプレイス ザ・タワーは、月島1丁目にある地上53階建てのタワマンです。
月島駅直結なので、駅からの所要時間はわずか1分。
5,600m²に及ぶ敷地内のうち、約1,100m²は豊かな緑に覆われており、自然と共存できるタワマンとして注目を集めています。
周辺には隅田川テラスのほか、飛び石や灯籠、あずまやなどが点在する情緒溢れた佃公園もあり、子連れでのレジャーや散策にぴったりです。
一方で、徒歩圏内にスーパーやコンビニエンスストアなどが多く、日常生活の利便性も抜群です。
施設内では、高級ホテルを思わせるようなラウンジのほか、24時間利用できるライブラリーカフェ、音響にこだわったサウンドシアタールームなど多彩な共用スペースが利用できます。
参考:三井不動産グループ「キャピタルゲートプレイス」
ムーンアイランドタワー
ムーンアイランドタワーは、月島2丁目にある地上38階建てのタワマンです。
月島駅から徒歩1分と非常にアクセスが良く、敷地内にスーパーやドラックストア、医療機関など生活に必要な施設があるところも大きな魅力です。
外観は非常にスタイリッシュで、月島エリアのシンボルともいえるでしょう。
オートロックや宅配ロッカー、管理人常駐など、防犯対策も充実しており、一人暮らしからファミリー世帯まで暮らせる環境が整っています。
2階にはラウンジやキッズルームなどが併設されており、来客との歓談や子どもとの触れあいにも便利です。
参考:三井の賃貸「ムーンアイランドタワー」

一心エステート株式会社代表取締役 不動産コンサルタント
【保有資格】宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/損害保険募集人資格/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー/相続診断士
1983年福井県生まれ。金沢大学工学部を卒業後、大手コンサルティング会社で新規事業立ち上げや不動産会社のコンサルティング業務に4年間従事。その後、リストグループで不動産仲介営業・営業管理職・支店長を経て、一心エステート株式会社を創業。創業当初から金融機関・不動産会社へのコンサルティングを行い、東京都心を中心に不動産仲介実績を積み上げている。2023年に著書「住んでよし、売ってよし、貸してよし。高級マンション超活用術: 不動産は「リセール指数」で買いなさい」を出版。