買ったときより高く売れるマンションの特徴。高く売るコツや税金などの費用も解説

買ったときより高くマンションを売るのは難しいとされているものの、購入価格より高値で売れるケースもあります。

高く売れるマンションの特徴や、売却を成功させるコツについて詳しく解説します。

マンションが買ったときより高く売れる理由

購入したマンションを、買った値段で売るのは難しいとされているものの、購入価格より高値で売れるケースもあります。

マンションを購入したときよりも高い価格で売却できる背景には、近年の不動産市場の動向が大きく影響しています。

​2013年頃から全国的なマンション価格の上昇が顕著であり、その要因を理解することが重要です。​

参考:国土交通省 不動産価格指数

全国的にマンションの不動産価格が上昇している

近年、マンションの不動産価格は全国的に上昇傾向にあります。​この上昇の主な要因として、以下の3つが挙げられます。​

  • 建設コストの増加
  • 金利上昇前の駆け込み需要
  • 新築マンションの供給減少

建設コストの増加

建築資材の価格上昇や建設業界の人手不足による人件費の高騰が、新築マンションの価格を押し上げています。 ​

金利上昇前の駆け込み需要

金利が上がると、借り入れコストの増加によりマンション購入の負担が大きくなります。低金利政策により、住宅ローン金利は低水準を維持していました。

しかし、日本銀行による金融政策の転換により、今後の金利引き上げが予測されています。そのため、「今のうちに購入したい」と考える人が増え、一時的にマンションの需要を高めている可能性があります。​

ただし、金利上昇が進むと需要が減退する可能性もあるため、タイミングの見極めが重要です。

新築マンションの供給減少

​新築マンションの供給戸数が減少しているため、需要と供給のバランスが崩れ、価格上昇の一因となっています。そのため、中古マンションの人気が高まっています。

これらの要因が組み合わさり、マンションの不動産価格は上昇を続けています。​

​価格が上昇しているうちに売った方がいい​

マンションの価格が上昇している今、売却を検討することは有益です。​市場が好調なうちに売却することで、購入時よりも高い価格で売れる可能性が高まります。

​ただし、市場動向は変動する可能性があるため、タイミングを見極めることが重要です。

​高く売れるマンションの特徴!高く売るコツも

マンションを高値で売却するためには、物件自体の特徴と売却時の工夫が重要です。​

以下に、高値で売れるマンションの特徴と、高く売るための具体的なコツを紹介します。​

高値で売れるマンションとは?​

高値で売れるマンションには、以下のような共通した特徴があります。これらの要素を理解することで、売却時の戦略を立てやすくなります。

  • 築10年以内
  • 好立地にある
  • 日当たりが良く、騒音も気にならない

​それぞれ解説します。

築10年以内​

築年数が10年以内のマンションは、建物や設備の劣化が少なく、購入希望者にとって魅力的です。

外観や共用部分の状態も比較的良好で、管理費や修繕積立金の増額リスクが低いため、安心して購入を検討できます。

また、築10年以内の物件は、新築マンションに比べて価格が抑えられていることが多く、コストパフォーマンスの良さから需要が高まる傾向にあります。

加えて、最新の耐震基準を満たしている場合が多く、安全面でもメリットがあります。高く売ることを考えるなら、築10年以内のうちに売却するのが有利です。

好立地にある​

立地の良さはマンション価格に大きく影響します。特に、駅から徒歩5分以内の物件は、通勤や通学の利便性が高いため、需要が安定しています。

商業施設や医療機関、学校、公園などが徒歩圏内に揃っているエリアは、家族がいる層の支持を受けやすいです。

また、再開発が進んでいる地域では、将来的な資産価値の上昇が期待できます。たとえば、都心部やターミナル駅周辺のエリアは、不動産市場が活発であり、売却時に高値がつきやすいです。

一方、立地が良くても近隣に騒音の原因となる施設(繁華街、幹線道路、鉄道など)があると、価格に影響を与えかねないため、周辺環境も含めてチェックすることが重要です。

日当たりが良く、騒音も気にならない​

日当たりの良さは、住み心地を左右する大きな要素の一つです。

特に、南向きのバルコニーを持つ部屋は、日中の明るさが確保され、冬でも暖かく過ごしやすいことから人気があります。逆に、北向きの部屋は日当たりが悪く、売却時に価格が下がりやすい傾向があります。

高層階は、周囲の建物の影響を受けにくいため、長期間にわたって日照条件を保ちやすい点がメリットです。

高層階や角部屋は隣接する住戸が少ないため、騒音トラブルのリスクも低減されます。幹線道路や鉄道沿いの物件でも、高層階なら騒音が軽減されるため、低層階に比べて評価が高くなりやすいです。

マンションを高く売るコツ​

物件の特徴だけでなく、売却時の工夫も高値売却には欠かせません。

​具体的なポイントは、以下のとおりです。

  • 不動産会社との契約で失敗しない
  • 掃除やリフォームを行うかどうか不動産会社に相談する
  • 値引き交渉前提で売り出し価格を決める
  • マンション売却の流れや期間を理解しておく

それぞれ解説します。

不動産会社との契約で失敗しない

信頼できる不動産会社を選ぶことは、マンション売却を成功させるために重要なポイントの一つです。

不動産会社によって、査定価格の提示基準や販売戦略、広告の出し方が異なるため、慎重に比較検討する必要があります。

まず、1社だけでなく複数の不動産会社から査定を取り、価格の妥当性を確認してください。過去の売却実績や口コミも参考にしながら、対応が丁寧で売却活動に積極的な会社を選ぶことが重要です。

さらに、契約形態にも注意が必要です。不動産会社と結ぶ契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解して選択しましょう。

掃除やリフォームを行うかどうか不動産会社に相談する

購入希望者が内覧した際の第一印象は、売却価格や成約のスピードに大きな影響を与えます。

室内が清潔であることはもちろん、必要に応じてリフォームやハウスクリーニングを行うことで、物件の魅力を最大限に引き出すことができます。

たとえば、壁紙の汚れやフローリングの傷が目立つ場合、部分的な補修を行うだけでも印象は大きく改善されます。キッチンや浴室の設備が古い場合は、軽微な修繕を施すことで購入希望者の不安を和らげることが可能です。

ただし、大掛かりなリフォームはコストがかかりすぎるため、不動産会社と相談し、売却価格とリフォーム費用のバランスを考慮しながら進めることが重要です。

値引き交渉前提で売り出し価格を決める​

マンションを売却する際、多くの購入希望者は値引き交渉を前提に検討します。最終的な売却価格を想定し、少し高めの売り出し価格を設定しておくことが一つの販売戦略です。

しかし、相場を大きく超える価格を設定すると、内覧希望者が集まりにくく、売却期間が長引くリスクがあります。

そのため、事前に周辺の成約価格や競合物件の動向を調査し、適正な範囲で売り出し価格を設定することが重要です。

また、値引き交渉に応じる際は、どの程度の価格なら許容できるのかを事前に決めておくと、スムーズに交渉を進めることができます。

マンション売却の流れや期間を理解しておく​

マンションの売却には、査定、媒介契約の締結、販売活動、買主との交渉、契約締結、引き渡しといった一連の流れがあります。

これらのプロセスを理解し、スケジュールに余裕を持つことが、成功する売却の鍵となります。特に、売却を急ぐあまり値下げを迫られるケースも少なくないため、適切な価格で売るためには、事前に売却活動にかかる期間を把握しておくことが大切です。

一般的にマンション売却には3〜6ヶ月ほどかかることが多いため、余裕を持った計画を立てましょう。

また、住み替えを予定している場合は、新居の購入と売却のタイミングを調整することも必要です。資金計画を立てながら、不動産会社と密に連携して進めることで、スムーズな取引が可能になります。

​マンションが買ったときより高く売れる場合の税金や費用​

マンションを購入時より高値で売却した際には、利益(譲渡所得)に対して税金が課せられ、さらに各種費用が発生します。​これらを正しく理解し、適切に対応することが重要です。​

譲渡所得は、以下の式で計算されます

譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費 + 譲渡費用)​

  • 譲渡価格:​マンションの売却金額​
  • 取得費:​購入時の価格や購入手数料、リフォーム費用など​
  • 譲渡費用:​仲介手数料や登記費用など、売却時にかかる費用​

また、譲渡所得についてはマンションの所有期間により、適用される税率が異なります。​

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):​所得税30%+住民税9%=合計39%​
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):​所得税15%+住民税5%=合計20%​

さらに、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が加算されます。​

譲渡所得が発生した場合、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です。​これは給与所得者であっても同様です。​申告を怠ると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。​

不動産会社に支払う仲介手数料は、法律で上限が定められています。​売却価格が400万円を超える場合、以下の計算式で求められます。

仲介手数料 =(売却価格×3%+6万円)+消費税​

実際に3,000万円で売却できたときのケースは、以下のとおりです。

例:​売却価格が3,000万円の場合​

(3,000万円×3%+6万円)+消費税10%=105万6,000円​

マイホームを売却して新たに住宅を購入する際、最大3,000万円の特別控除が適用される場合があります。​

ただし、この特例と住宅ローン控除は併用できないため、どちらを利用するか慎重な検討が必要です。​判断に迷う場合は、税務署への電話相談や、税理士と提携した不動産会社への相談をおすすめします。​