本当のお金持ちはタワマンを避ける?その理由やタワーマンション売却のポイント解説

タワーマンションはホテルのような外観や共用施設を持っており、多くの人にとって憧れの住まいです。

しかし、本当のお金持ちと言われる人々はタワーマンションを避けるというウワサもあります。お金持ちがタワーマンションを避ける理由について考えてみましょう。

本当のお金持ちがタワマンに住まない理由

冒頭で紹介したように、タワーマンションは好立地や眺望が多いことから高級な物件であることが多いため、ある程度所得やステータスが高い人でなければ住むことが難しいと言われています。

しかし、お金持ちの中にもタワーマンションを選ばない層も一定数いるようです。

お金持ちとは(お金持ちの定義)

ここで言うお金持ちとは、単に収入が高いだけではなく資産を運用して経済的な自由を手に入れている人を指します。

たとえば、株式や不動産といった資産を所有し、それらから得られる収益で生活できる状態が一つの目安です。

低層マンションに住み替えるお金持ちが増えている?

近年、富裕層が大型タワーマンションよりも、まるで邸宅のような上質感を持つ低層マンションのほうを好む傾向が見られます。

その理由はシンプルで、3階から5階建ての低層マンションは住み心地がよいからです。

教育環境がよいエリア・緑を感じられるエリアなどの住まいとしての快適性を追求した結果、都心の中の高級住宅地にある高級低層マンションに関心が集まっています。

タワーマンションは超高層の建物であるため建築基準法上の高さ制限があり、どうしても住宅地の中に建てることはできません。

高級低層マンションは都心にありながら落ち着いた住環境のエリアに建てられます。

低層で戸数が少ないこともあいまって、利便性とプライベート感を併せ持つ理想的な選択肢となっています。

お金持ちがタワマンを好まない理由

華やかなイメージがあるタワーマンションですが、富裕層から敬遠される理由があります。

1つめの理由は、生活するうえでのタイムパフォーマンスがあまりよくないことです。

タワーマンションでは少し外出するだけでもエレベーターの待ち時間が発生したり、マンションの戸数が多いために機械式駐車場で車を出し入れするのも順番待ちになったりします。

富裕層には時間に大きな価値を置いている人が多く、時間のロスには敏感であると言えます。

2つめの理由は、相続税の節税対策である「タワマン節税」と呼ばれる方法にストップがかかったことです。

相続税の税率は相続財産が多いほど高くなるため、相続税評価額を下げることが節税のポイントです。相続したのが現金だとそのまま相続税評価額となりますが、不動産の場合は時価(実際の売買価格)の70%〜80%で計算されます。

タワーマンションが節税効果を生みやすい理由として、高層建築で縦長の構造なため1つの土地に部屋が多く存在する点が挙げられます。土地の評価額の計算に用いるのは「所有面積」ですが、1つの土地で戸数が多い物件ほど1戸あたりの持分が小さくなるため、土地の評価額が下がるのです。

このように、固定資産税評価額と実際の取引価格に大きな差があったため、タワーマンションの高層階の所有が節税につながっていたのですが、行き過ぎた節税が問題視された結果、令和6年1月1日からの相続・贈与については評価額に補正が入ることになりました。

したがって、これまでのような大きな節税メリットは見込めなくなり、富裕層からの人気は下降気味です。

これらのデメリットがあることから、お金持ちはタワーマンションよりも高級低層マンションを選ぶようになってきています。

参考:

No.4602 土地家屋の評価|国税庁

No.4667 居住用の区分所有財産の評価|国税庁

お金持ちはタワマンをどのように利用するのか

もちろん、タワーマンションにはメリットもあります。富裕層の中には投資や節税目的のセカンドハウスとしてタワマンを所有し、住んでいるのは低層マンションという方々もいます。

タワマンのメリット

タワマンのメリットは大きく4つです。

  • セキュリティが充実している
  • 共用施設が豪華
  • 高層階からの眺望がよい
  • 節税対策になる

それぞれ解説します。

セキュリティが充実している

タワーマンションは警備員が常駐するなどセキュリティがしっかりしています。

24時間コンシェルジュがいることで、不審者の侵入リスクが低いことも特徴です。

共用施設が豪華

フィットネスやプール、パーティールームなどの共用施設が充実している点も魅力です。

これら共用施設を積極的に活用することで、日常生活がさらに楽しく快適になります。

高層階からの眺望がよい

タワーマンションの高層階からの眺めは、低層マンションや戸建では味わえません。

眺望を重視する場合は、タワーマンションの高層階は最適な選択と言えます。

節税対策になる

タワーマンションの高層階を購入することで相続税を大幅に圧縮する「タワマン節税」については規制が強化されたものの、不動産が相続税の節税に有効なことには変わりがありません。

タワマンのデメリット

次に、タワーマンションのデメリットを解説します。

  • 維持管理費・大規模修繕費用の負担が大きい
  • 災害時のリスクが高い
  • 共用施設はいつでも利用できるわけではない

それぞれ解説します。

維持管理費・大規模修繕費用の負担が大きい

豪華な共用施設や強固なセキュリティを維持するため、毎月の維持管理費が一般的なマンションより高額になりやすいです。

また大型の建築物であるため、将来の大規模修繕の費用が巨額になることもデメリットです。そのため毎月の修繕積立金も高額になり、積立金で足りない場合は追加の出費が発生します。

災害時のリスクが高い

強い地震が発生した時、高層階に住む場合は揺れを大きく感じやすいです。

また、エレベーターの故障や水道が止まってしまう可能性も否定できません。

長い期間にわたって暮らしに大きな支障を与える可能性があります。

災害時のことを考えると、低層マンションのほうにメリットを感じる人が多くなっています。

共用施設はいつでも利用できるわけではない

共用施設は数多くの入居者と共同で利用するため、使いたい時に必ず使えるとはかぎりません。

週末にはフィットネスが混雑し、クリスマス前後や年末年始にはパーティールームの予約が困難になる傾向があります。

中古のタワマンが売れにくいと言われる理由

実は、中古マンション市場ではタワーマンションは「売れにくい」と考える人もいます。

その理由は3つあります。

  • 築年数による人気の減少
  • 中古でも手頃な価格とは言いがたい
  • 管理費・修繕積立金が割高に感じる

築年数による人気の減少

今後も新築のタワーマンションが建設されていく予定です。

首都圏のマンション供給戸数は2025年も増加が見込まれています。

新しい物件ほど外観・設備が洗練され、耐震技術は進化していくため、築年数が経ったタワーマンションは競争力が下がっていきます。

参考:不動産経済研究所|不動産経済 マンションデータ・ニュース

中古でも手頃な価格とは言いがたい

中古タワーマンションの販売価格は、新築時ほどではなくてもかなり高額です。

特に都心の人気エリアにある物件や都心ターミナル駅に出やすい物件は価値が落ちにくいため、価格が下がらない傾向があります。

そのため、中古マンション市場の「比較的手頃な価格で購入したい」というニーズとは合いづらいと言えます。

管理費・修繕積立金が割高に感じる

タワーマンションは設備やサービスが充実している反面、月々の管理費や修繕積立金の負担が大きいという特徴があることは前述のとおりです。

特に修繕積立金は築年数にともなって増額されていくため、中古で買う場合はより高額に感じやすいです。

また、大規模修繕時は巨額の費用がかかるため、修繕積立金で足りなかった場合は追加の費用が必要になります。

そのため、大規模修繕が行われる築15〜20年ごろに差し掛かると購入をためらう人がさらに増え、売却が難しくなる傾向があります。

これらの理由から、中古のタワーマンションは売れにくいと言われています。

売却を検討している場合は、築浅のうちに考えたほうがよいでしょう。

築浅なら、居住用の購入希望者だけでなく投資家から購入される可能性もあります。

タワマンの売却を依頼する不動産会社の選び方

タワマンを早期に売却するための不動産会社選びのポイントを解説します。

タワマンの取引経験が豊富な会社に依頼する

タワーマンションの取引実績が豊富な会社を選びましょう。

タワーマンションの購入希望者は一般的に見て高収入ですし、購入者が投資家の場合は資金力に加えて不動産の知識も持っています。円安の影響もあり、海外の投資家も非常に多いです。

そういった顧客とのパイプを持つ不動産会社に依頼することで、売却がスムーズに進むでしょう。

販売戦略についてしっかり説明してくれる会社に依頼する

初めての自宅売却には不安がつきものです。

査定金額の根拠を示してくれたり購入希望者へのアプローチ方法についてしっかり説明してくれたりするなど、きちんとコミュニケーションを取ってくれる会社なら信頼してまかせられます。