賃貸管理会社を選び間違えると、物件の価値低下など大きなリスクを抱えることになります。
恵比寿エリアで賃貸管理会社を選ぶ際の重要な基準を解説します。
目次
恵比寿にある賃貸管理会社の選び方・比較基準
恵比寿エリアで賃貸管理会社を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮することが大切です。
適切な管理会社を選ぶことで、物件の価値を維持し、安定した賃貸経営を実現できます。
以下に、選定時に注目すべき主な基準を紹介します。
- 管理手数料の安さだけで選ばない
- 客付け力は高いか
- 企業として信頼できるか
- 恵比寿の情報を多く持っているか
- 賃貸管理以外の悩み相談もできるか
それぞれ解説します。
管理手数料の安さだけで選ばない
管理委託費(管理手数料)の安さだけで賃貸管理会社を選ぶのは避けるべきです。
管理委託費とはオーナーが管理会社に支払う物件管理の対価のことで、入居者が負担する管理費(共用部分の維持費)とは異なります。
管理会社に払う一般的な管理委託費は、「家賃収入の約5%」です。家賃収入には毎月の賃料と入居者から受け取る管理費などが含まれます。
家賃が高いほど家賃収入は大きくなり、管理委託費も高くなります。LIFULLHOME’Sに掲載されている恵比寿エリアの賃料相場(2025年2月時点)を参考にすると、例えば1LDKの平均家賃は約27.7万円です。恵比寿駅の周辺にある物件の家賃相場は都内でも高く、3LDKだと約41万円でした。
家賃40万円の場合、管理委託費(5%)は約2万円。恵比寿にある物件の管理委託費は高額になりやすいことを、まず理解しておきましょう。
恵比寿のような賃料が高額なエリアでは入居者の求める生活水準も高く、こうした層の入居者に満足してもらうためにも、管理会社の質は重要なポイントとなります。
管理委託費を1%〜3%に設定している会社も存在しますが、サービス内容が充実しているとは限りません。トータルのコストが管理内容と比べて適切かを判断することが重要です。
客付け力は高いか
物件の空室期間を短縮し安定した収益を得るためには、管理会社の客付け力が重要です。客付けとは部屋を借りたい人を見つける仕事を指します。
インターネットを活用した集客が得意な会社であれば、幅広い顧客層にアプローチできるため、入居者募集の効率が高まります。
特にInstagramなどのSNSに力を入れている管理会社がおすすめです。私たちの生活に欠かせないSNSですが、物件探しにおいても写真や動画が中心のInstagramを利用する人が増えています。コストを抑えられたり、文章だけよりも魅力が伝わりやすくなるなどのメリットがあります。
客付け力が高く、SNS集客に強い管理会社を選びましょう。
また仲介と管理の両方を手掛ける会社を選ぶことがおすすめです。
仲介業務も行っている管理会社は、物件の特性を熟知しており、適切な入居者を迅速に見つけることが可能です。入居者管理まで行ってくれるので労力も抑えられます。
企業として信頼できるか
管理会社の信頼性を確認することは、長期的な賃貸経営において欠かせません。
まず、宅地建物取引業者の免許番号を確認し、正規の会社であることを確かめましょう。免許番号は国から認められている不動産会社の証明になります。
さらに、過去のトラブル事例や口コミを調査することで、会社の対応力や信頼性を把握できます。
信頼できる管理会社は、オーナーとのコミュニケーションを大切にし、透明性のあるサービスを提供しています。
恵比寿の情報を多く持っているか
恵比寿エリアに精通した管理会社は、地域特有の市場動向や入居者のニーズを的確に把握しています。
地元密着型の会社は、周辺環境や生活利便性などの詳細な情報を持っており、入居者への的確なアドバイスが可能です。
その結果、入居者満足度が向上し、長期的な入居につながります。
賃貸管理以外の悩み相談もできるか
賃貸経営には、物件管理以外にも法的手続きや税務、リフォームなど多岐にわたる課題があります。
これらの悩みに対して、総合的なサポートを提供できる管理会社を選ぶことで、オーナーの負担を軽減できます。
特に、法的な質問や税務面でのアドバイスを適切に行える会社は、安心して任せられます。
賃貸管理会社を選び間違えると大変なことに
賃貸管理会社の選定を誤ると、物件の価値低下や入居者トラブルなど、オーナーにとって大きなリスクを抱えることになります。
特に、対応が遅い会社や管理がずさんな会社を選んでしまうと、クレームの増加や退去率の上昇につながります。
また、家賃回収が適切に行われない、必要な修繕を怠るなどの問題が発生すると、収益の悪化にも直結します。
信頼できる会社を選ぶことが、安定した賃貸経営の鍵となります。
賃貸管理会社とは
そもそも賃貸管理会社とは、オーナーに代わって物件の運営や管理を行う会社です。
入居者の募集から契約手続き、家賃回収、設備の修繕、退去時の対応まで、多岐にわたる業務を担当します。
管理を任せることで、オーナーは手間を省きながら安定した賃貸経営を続けることが可能になります。
賃貸管理会社を利用する理由
賃貸管理会社を利用する最大のメリットは、手間を大幅に減らせることです。
入居者の募集や契約、家賃回収、クレーム対応、退去時の手続きなどオーナーが個人で行うには負担の大きい業務を代行してくれます。
一方、管理会社を利用しない場合は、すべての業務をオーナー自身が行う自主管理になり、入居者とのトラブル対応や修繕費の管理に手を取られることもあります。
特に遠方に住んでいるオーナーや、本業が忙しい人にとっては、賃貸管理会社のサポートが欠かせません。
また不動産会社がオーナーから賃貸物件を借りて入居者に「転貸(てんたい)」するサブリースという方式は、一定の家賃収入が保証されるものの、管理会社との契約条件によっては収益が下がるリスクもあります。
管理会社を利用することで自主管理の負担を軽減しつつ、物件の運営主体がオーナーであるためサブリースより柔軟な運営が可能になります。
大手と地域密着どちらがいいのか
賃貸管理会社には、大手と地域密着型の2種類があり、それぞれにメリットがあります。
大手管理会社は、全国規模のネットワークを活用し、広範囲の集客力や安心の管理体制を提供します。特に法人契約が多い物件や、安定した管理を求めるオーナーには向いています。
ただし、手数料が高めで、地域ごとの柔軟な対応が難しい場合もあります。
一方、地域密着型の管理会社は、そのエリアの賃貸市場や入居者のニーズを熟知しており、細やかな対応が期待できます。入居者との距離が近く、リピーターや紹介での成約率が高い点も魅力です。
どちらが良いかは、オーナーの物件や管理方針によります。
安定した運営を求めるなら大手、地域に根ざしたサービスを重視するなら地元の管理会社を選ぶとよいでしょう。

一心エステート株式会社代表取締役 不動産コンサルタント
1983年福井県生まれ。金沢大学工学部を卒業後、大手コンサルティング会社で新規事業立ち上げや不動産会社のコンサルティング業務に4年間従事。その後、リストグループで不動産仲介営業・営業管理職・支店長を経て、一心エステート株式会社を創業。創業当初から金融機関・不動産会社へのコンサルティングを行い、東京都心を中心に不動産仲介実績を積み上げている。2023年に著書「住んでよし、売ってよし、貸してよし。高級マンション超活用術: 不動産は「リセール指数」で買いなさい」を出版。
【保有資格】
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/損害保険募集人資格/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー/相続診断士