タワマンの価格相場はどれくらい?東京と大阪の主要エリアの相場を紹介

20階建て以上の高層マンション、通称「タワマン」は眺望の良さやセキュリティの高さなどで注目を集めています。

タワマンの価格相場はエリアや築年数などによって異なりますが、東京の主要エリアでは5,000万~20億円、大阪の主要エリアでは4,000万~4億5,000万円が相場です。

本記事では、タワマンの購入を検討している方や価格相場を知りたい方向けに、エリアごとの価格相場や近年の価格推移、買うべきタイミングについて解説します。

タワマンの価格相場

タワマンの価格相場は一般的なマンションと同じく、エリアや立地、築年数、階数などによって異なります。

ここでは、タワマンの価格相場の目安を知るために、東京と大阪それぞれの主要エリアの価格帯をまとめました。

東京にあるタワマンの価格相場

2024年12月現在、東京の主要エリア内にある新築・中古のタワマンの価格相場は以下の通りです。

エリア価格相場
中央区5,000万~7億円
港区6,000万~20億円
新宿区6,000万~5億円
江東区6,000万~4億円

※各ポータルサイトや不動産会社の公開情報を参考にして集計

東京でも都心に近いタワマンの場合、下限は5,000万~6,000万円がおおよその相場のようです。

ただし、価格が安いタワマンは階数が10階以下だったり、築年数が15年以上経過したりしているケースが多い傾向にあります。

一方、上限についてはエリアによって価格差が大きく、江東区では約4億円であるのに対し、港区では約20億円という物件も存在します。

港区は都内でも特に再開発が行われている箇所が多いこと、治安が良く子育て支援策などが充実していることなどから、住みやすい街として昔から高い人気を誇っているようです。

このように、エリアの需要の高さがタワマンの価格にも反映されているといえるでしょう。

大阪にあるタワマンの価格相場

2024年12月現在、大阪の主要エリア内にある新築・中古のタワマンの価格相場は以下の通りです。

エリア価格相場
北区5,000万~4億5,000万円
中央区4,000万~3億円
福島区5,000万~1億3,000万円
天王寺区4,000万~1億3,000万円

※各ポータルサイトや不動産会社の公開情報を参考にして集計

大阪のタワマンの場合、下限は4,000万~5,000万円で、東京とは1,000万円ほどしか差がありません。

一方で、上限は福島区と天王寺区で約1億3,000万円、北区でも約4億5,000万円と、東京のタワマンに比べてかなり低い金額であることが分かります。

そのため、立地や建物の状態など条件が類似している場合、東京よりも大阪のほうがコストを抑えてタワマンを購入できるでしょう。

なお、タワマン価格の相場が高い北区は、大阪市の玄関口として機能している主要エリアであり、交通網が発達している上、商業施設も多数点在しています。

さらに公共施設や教育支援制度が充実していることから、ファミリー層の人気が高く、価格高騰の一因となっているようです。

タワマン価格の推移

タワマン価格の相場は、ここ数年で右肩上がりに上昇傾向にあります。

国土交通省が発表している「不動産価格指数」の第2四半期分のデータでは、マンション(区分所有)は対前月比で1.9%増加しています。

タワーマンションだけのデータではありませんが、2013年以降から大胆な金融政策と機動的な財政出動、民間投資などの効果によりマンションの価格は上昇。

以降はタワマンの相場はほぼ下がることはなく年々上がり続けています。

タワマンは今が買い時?購入するタイミングと懸念されるリスク

タワマンの購入を検討される方にとって、「今すぐ購入すべき?」「もう少し待ったほうがよい?」など、購入のタイミングは気になるところでしょう。

タワマンの買い時については専門家の間でも意見が分かれています。

ここでは、タワマンを購入するタイミングと暴落するリスクについて解説します。

タワマンを購入するタイミングはいつ?

タワマンに限らず、不動産は将来的に売却することも踏まえて物件を検討するのがセオリーとされています。

その理由として、一般的なマンションは築年数が経過するほど資産価値が下がり、いざ売りに出しても希望価格で売却できない恐れがあるからです。

しかし、タワマンは立地や治安の良さなど住環境が良く、24時間コンシェルジュや警備員が常駐しているなど、サービスの良さやセキュリティーの高さが魅力となっています。

さらに、タワマンは管理会社による管理体制もしっかりしているケースが多く、建物や設備の老朽化による不便や不満を感じにくいところが特徴です。

以上の要素から、タワマンはある程度築年数が経過しても資産価値が下がりにくく、売却しやすい物件といわれています。

そのためタワマンに明確な買い時はなく、欲しいと思ったときが買い時と考える人も多いようです。

一部エリアでは暴落する可能性がある?

タワマンの資産価値は下がりにくいと説明しましたが、一方で一部エリアでは価格の暴落を懸念する声もあります。

特に今後の動向に注目が集まっているのが、東京都港区や中央区、江東区といった湾岸エリアのタワマンです。

参考記事:湾岸2024年問題とは何か。消費者への影響や今後とるべき行動を解説

これらのエリアは都内でも人気の高い場所である一方、湾岸2024年問題を抱えているエリアでもあります。

タワマンの懸念点である湾岸2024年問題

湾岸2024年問題とは、2024年上旬より湾岸エリアに建設された大規模マンションの入居が一斉にスタートすることによる、さまざまな問題のことです。

たとえば、都営地下鉄大江戸線・勝どき駅から徒歩1~2分の好立地に建設されたタワーマンションの中には、約2,700戸の住宅戸数を誇る大規模マンションがあります。

さらに、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地に建設された「晴海フラッグ」には、分譲と賃貸合わせて5,600戸以上のマンション群が建設されました。

これら大規模マンションの入居者の中には、既存のマンションを売却して住み替えする人も少なくありません。

その結果、周辺エリアのマンションに大量の空きが生じ、中古マンションの価格相場が下落するのではないかと考えられています。

湾岸2024年問題で中古のタワマンは暴落する?

湾岸2024年問題により、中古タワマンを購入するのはもう少し待ったほうがお得という噂もあります。

しかし、国土交通省が公開している不動産価格指数によると、令和5年8月から令和6年8月までの住宅用不動産価格指数は緩やかに上昇しています。

もちろん、湾岸2024年問題の懸念もあるので、今後タワマン価格が暴落しないとも断言できませんが、少なくとも現時点では大きな影響は見られません。

タワマンの売却についても同様で、湾岸2024年問題の影響が出始める前に売るのを得策と考えるか、不動産価格の上昇を見越してもう少し待つかは慎重に検討する必要があります。