マンションを貸すと儲かる?資産を活かすなら賃貸と売却のどっちがよい?

いま、マンションの価格が、多くのエリアで上昇しています。売却すれば大きな収入になる可能性はあるものの、継続的に収入を得るのであれば賃貸住宅として貸し出すのもよい選択肢です。マンションを貸すと、儲けられるのでしょうか?それとも売却して、利益を確保するべきでしょうか。

マンションを貸すとどれくらい儲かる?

マンションを貸し出すと、どれくらい儲かるものなのでしょうか。マンションを貸し出して儲かる仕組みと、マンションを賃貸するとかかる費用について解説します。

マンションを貸し出して儲かる仕組み

高い賃料で貸し出せても、必要経費がかかればそれだけ利益が目減りします。つまり利益を生み出すには、なるべく高く貸し出し、経費をなるべく抑えなければなりません。しかし、家賃を高くしすぎると、入居者が決まるまで時間がかかってしまうおそれがあります。不動産会社と相談して適正な賃料を設定し、なるべく空き家の期間を短くしましょう。

マンションを貸し出して儲けるには、以下の3つを心がけるようにしましょう。

  • なるべく高い賃料で貸し出す
  • 経費は最小限に抑える
  • 空き家の期間を減らす

マンションの賃貸にかかる費用

所有するマンションを賃貸へ出すには、費用がかかります。つまり、家賃以上に費用をかけてしまうと、マイナスになってしまうので注意しましょう。ここでは、マンションを賃貸に出すとかかる、一般的な費用を紹介します。

仲介手数料不動産会社に入居者の募集や契約業務を依頼し、成約に至った場合に支払う手数料。不動産会社が受け取れる上限額は、家賃1カ月分+消費税。ただし、入居者の募集で別途広告費がかかることもある
管理料マンションの管理を不動産会社に依頼すると、その管理料がかかる
リフォーム費用内装リフォームをしてから貸し出すのが一般的。設備などに故障があれば修理や交換する費用が発生する
ハウスクリーニング費用浴室やキッチン、トイレなどは、必要に応じてハウスクリーニングを行う
火災保険料建物の火災保険料。家財は入居者が支払う
ローン手数料住宅ローンを借りたまま貸し出せないため、アパートローン(投資用ローン)などに切り替える必要があり、その際に手数料がかかる
ローンの返済の金利ローンを組んでいる場合は月々返済しなければならず、元本の返済とは別に金利がかかる
固定資産税・都市計画税マンションに住んでいなくても、所有者に対して固定資産税や都市計画税が課税される
管理費・修繕積立金マンションに住んでいなくても、月々管理費や修繕積立金がかかる
所得税家賃収入に対して所得税がかかる。税率は累進課税のため、所得によって異なる

マンションの貸し出しで注意するポイント

マンションを貸し出すことで収入を得られるものの、リスクがあることも理解しておきましょう。マンションを貸し出すときの注意点を見ていきましょう。

住宅ローン控除が受けられなくなる

マンションを貸し出すと住宅ではなくなるため、住宅ローン控除を受けられなくなります。そのため、所得税の控除がなくなり、税金の負担が増えることになります。

維持管理に費用がかかる

入居や退去のタイミングだけでなく、設備が故障したら修理費や交換費用が発生します。たとえば、給湯器が故障して使えなくなると、入居者に迷惑をかけることになります。ある程度の年数になったら、交換を検討しましょう。

空室リスクがある

入居者が退去してしまうと家賃収入を得られなくなりますが、毎月のローンの返済や管理費・修繕積立金の支払いはそのまま続きます。空室期間が長くなると大きな負担になるため、なるべく早く入居するよう広告などでアピールしましょう。

注意!住宅ローン返済中だと貸し出せない

住宅ローンは自身の住宅を購入するためのローンで、ほかのローンに比べて金利が安く抑えられているのが特徴です。マンションを貸し出す場合は、金融機関へ相談してほかのローンに借り換える必要があります。

もし、マンションを賃貸に出していることを隠し、そのまま住宅ローンを借り続けてしまうと、契約違反となって一括返済を求められることがあるため注意しましょう。

賃貸にして儲かるのはこんなマンション

賃貸にして儲かるマンションは、入居者からの需要が高く、長く住みたいと思える物件です。賃貸物件として需要がなければそもそも貸し出せず、収益を生むことは難しいでしょう。

もし、将来的に貸す可能性があれば、賃貸しやすい条件を備えているかどうかも重視して購入を決めてください。

駅近など立地条件に優れる

賃貸物件は駅近など立地条件を重視する人が多いため、最寄り駅から5分圏内など、利便性が高いマンションほど貸しやすく、空室リスクも低くなります。すぐ入居者が決まるような条件のマンションであれば、家賃収入も安定します。

築浅で外観の見栄えがよい

築浅で外観の見栄えがよいマンションも、貸しやすい条件が揃っているといえます。また、築浅のマンションであれば、設備が故障するリスクが低く、維持費を安く抑えられるでしょう。

万人受けする使いやすい間取り

間取りも貸しやすさに影響します。たとえば、変わったレイアウトや4LDKなど、万人受けしない間取りは、入居者を見つけるのに苦労するおそれがあります。

駅の近くなら単身者や2人家族向けの1LDKや2LDK、住宅街に近いマンションであればファミリー向けの3LDKなど、立地によって多少異なります。エリアや立地などから、ターゲット層についても考えてみましょう。

共用設備が充実している

最近はオンラインショッピングをする人が多く、宅配ボックスの有無が入居の条件になることがあります。ほかにも24時間利用できるゴミ置き場、Wi-Fiの速度などがポイントになることも少なくありません。

日当たり・眺望がよい

日当たりや眺望を重視する入居者も多く、南向きの部屋や角部屋、上層階は人気があります。貸しやすいだけでなく、家賃も高く設定できる傾向があります。

賃貸と売却、儲かるのはどっち?

最後に所有するマンションを賃貸にするか、それとも売却するか迷っている人のために、売却、もしくは賃貸するメリット・デメリットを紹介します。

【売却】低リスク!もっとも手堅い方法

住宅ローンが残っている場合、売却価格によってはマンションを売却することで完済でき、まとまった資金を手に入れられます。また、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金の支払いからも解放されます。

マンションを賃貸すると維持管理しなければならず、多少なりとも入居への対応が発生することがあり、収入額によっては確定申告も必要です。わずらわしい思いをしたくない人は、マンションの売却も検討してください。

ただし、マンションを売却すると不動産会社の仲介手数料がかかり、利益が発生すれば譲渡所得税がかかります。売却を検討する場合は、税金や手数料がどのくらいかかるのか、手もとにいくら残るのか試算しておきましょう。

【賃貸】賃貸にすると相続税対策になる

相続税対策の面でいえば、マンションを売却して現金で残すよりも、マンションのまま残したほうが相続税は安く済みます。現金はその金額に対して相続税がかかりますが、不動産は時価ではなく評価額に対して相続税が課税されます。

相続対策が必要な場合は、資産をなるべく不動産で残すようにし、相続税を納付する可能性があれば、相続税に詳しい税理士や相続サポート体制が整った不動産会社に相談しておきましょう。

なお、遺産が基礎控除額を超えなければ、相続税は発生しません。基礎控除を求める計算式は、以下のとおりです。ただし税制は改正になることもあるため、常に新しい情報を得るようにしましょう。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数

たとえば、法定相続人が配偶者と子供2人であれば、基礎控除額は4,800万円です。

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

【賃貸】長期の資産運用になる

マンションを長期かつ継続的に貸し出せれば、家賃収入を得られ、売却すれば売却益を得られます。すぐにまとまった資金が必要ないのであれば、ある程度マンションを運用してから売却する選択肢もあります。

ただし、空室リスクがあることを理解し、家賃収入が得られないリスクがあることも想定しておきましょう。