高級分譲マンションは住まいとして快適なだけでなく、資産価値の観点から見ても魅力的です。
高級分譲マンションの特徴やメリット、購入時の注意点を詳しく解説します。
高級分譲マンションとは?特徴や住むメリットを解説
はじめに、高級分譲マンションの特徴と購入するメリットを解説します。
高級な分譲マンションとは?特徴や購入するメリット
高級分譲マンションとは、立地の良さ、部屋の広さ、建築や設備のグレード、付帯サービスの質が極めて高い水準にあるマンションのことを指します。
まず、特徴を順番に解説します。
都心で希少性の高い立地
人気のエリア内でも特に駅からの距離が近かったり、都心にありながら緑豊かで教育環境がよかったりするなど、誰もが一度は住んでみたいと憧れる好立地に建てられます。
また、大規模再開発によって将来的に大幅な価値上昇が見込まれる街の一等地に建設される場合もあります。
専有面積が広い
高級分譲マンションでは専有面積が広いです。
200㎡~300㎡ある物件もあり、リビングを広く作れるのはもちろん、面積にゆとりがあることで洗面所やトイレも充分な空間を確保できます。
洗面ボウルが横並びに2つ並んでいる仕様(ダブルボウル)になっていることも多く、ホテルに住んでいるような快適さを味わえます。
国土交通省が策定している最低居住面積水準が4人家族で50㎡なので、100㎡超の面積は非常にぜいたくな空間であることがわかります。
最低居住面積水準とは、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な面積の水準です。
建築・設備がハイグレード
外観を著名な建築家が手がけることもあり、その地域全体の印象を格上げするような存在感を持ちます。
エントランスも広々としており、デザイナーズ家具やアート作品が置かれていることも。
室内の建築資材も高品質なものが使われています。
木材は風合いがよいもの、石材はこだわりの天然石が採用されることが多いです。
キッチン・バスルーム・トイレもハイグレードな設備が採用されます。
各種サービスが充実している
住民専用のラウンジ、ジム、プール、バーなど、ホテルライクな共用施設やコンシェルジュサービスが充実しています。
セキュリティ面においては、管理人・警備員の常駐体制がとられていたり、エレベーターが居住階にしか停まらないシステムを採用したりするなど、住民の安全性が追求されています。
高級分譲マンションを購入するメリットは、マンションが住まいとしての基本的な価値以上の特別感を提供してくれる点です。
資産価値を維持できるのも大きなメリットです。都心部のマンションは資産価値が高く、長期的な投資先として魅力があります。
住まいとして利用しながら資産形成していけるのは大きな魅力だといえます。
中古の高級マンションに住むメリット
中古の高級マンションを購入した場合、コスト面でのメリットがあります。
一般的に、新築物件の価格には開発会社・販売会社の利益や広告料が含まれているため、買ってすぐに売却すると売却価格が下がる傾向があります。
しかし中古物件なら相場価格での売買となるため、コストパフォーマンスの高い買い物ができるでしょう。
賃貸で高級マンションに住むメリット
購入ではなく賃貸で住む選択肢もあります。
賃貸で高級マンションに住むメリットには、初期費用の低さと自由度の高さの2つが挙げられます。
初期費用が低い
マンション購入時には億単位の資金が必要になることもありますが、賃貸で住むことで比較的気軽に高級マンションに暮らすことができます。
また、毎年の固定資産税がかからないことや、修繕費の負担が少ないのもメリットです。
自由度が高い
高級マンションを購入した場合、売却のタイミングによって売却益が出るか売却損が出るか不確定だというリスクがあります。
いっぽう、賃貸で住む場合は退去のタイミングを計算する必要はないため、自分の都合のみで動くことが可能です。
また、購入前にお試しで借りることで実際の暮らしを体感できるため、購入した後で「こんなはずではなかった」という後悔を防ぐこともできます。
高級な分譲マンションに住むデメリットと失敗例
次に、高級マンションのデメリットを解説します。
- 共用施設はタイミングによっては予約が取れないこともある
- 時間帯によってエレベーターが混雑する
- 眺望は変わることもある
代表的なデメリットは次の3つです。
共用施設はタイミングによっては予約が取れないこともある
自分以外の入居者もいるため、共用施設を利用できないことがあります。
特に利用したい共用施設については、前もって使用状況を確認しておくとよいでしょう。
時間帯によってエレベーターが混雑する
タワーマンションの場合、通勤時間帯のエレベーターは混雑しやすく、部屋からマンションの外に出るまでに時間を要してしまうかもしれません。
その場合は、通勤時間をずらしたり予定より早めに部屋を出たりする必要があります。
眺望(ちょうぼう)は変わることもある
後から別の新しいマンションが建つことで、せっかくの眺めがさえぎられる可能性があります。
眺望を重視する場合は、学校や公園に隣接しているなど眺めが変わりにくい物件を選びましょう。
資産価値を落とさない高級分譲マンションの選び方・比較方法
では、資産価値を落とさない高級分譲マンションの選び方を解説します。
選び方のポイントは次の3つです。
よい立地に住む
高級マンションの価値を見極めるために、まず重視すべきは立地の良さです。
よい立地は大きく3つに分類されます。
利便性が高い
駅から近い・都心ターミナル駅に出やすいなど、利便性が高い場所にあれば資産価値が落ちにくいといえます。
高級住宅地である
高級住宅地としての地位が確立された街なら、値崩れの心配は少ないといえます。
住まいとしての環境がよい
都心にありながらも落ち着いて暮らせる場所も価値が高いといえます。
スーパーがある、公園が近い、人気の高い学区であるなど、環境の質が高いことも資産価値につながります。
自分に必要なものから選ぶ
豪華な共用施設を利用できることは高級マンションの大きな魅力ですが、自分が利用しない施設の費用も発生することには注意しましょう。
共用施設を利用してもしなくても、費用は全オーナーが等分に負担しなければなりません。
そのため、自分にとって価値がある共用施設がついている物件から選ぶという視点も必要です。
有名デベロッパーが手がけた物件から選ぶ
知名度の高いデベロッパー(不動産開発会社)が手がけた物件、いわゆるブランドマンションから選ぶのもよい選択です。
なぜなら、ブランドマンションは各社がこれまでの知見を集大成して作るもので、一般的なマンションとは段違いの信頼感があるからです。
そのため、中古でも高い人気があり、資産性を維持できるといえます。
高級な分譲マンションを購入する際の注意点
ここでは、高級な分譲マンションを購入する際の注意点をお伝えします。
維持・管理の費用がかかる点を認識しておく
共用施設や便利なサービスが充実しているため、管理費・共益費が一般的な物件よりも高額になります。
固定資産税も高額で、1億円のマンションで年間40〜50万円といわれています。
これらの費用がかかる点を認識した上で購入を検討してください。
なお、固定資産税については、床面積が50㎡以上280㎡以下であれば5年間(認定長期優良住宅の場合は7年間)は2分の1に減額されます。
住み替えなら売却と購入を依頼できる不動産会社を選ぶ
高級マンションの住み替えを検討する場合、売却と購入を同時にサポートできる不動産会社を選ぶことが大切です。
一貫して対応してもらえることで、買い換えの流れがスムーズになります。
どんな不動産会社に仲介を依頼すればいいのか
高級マンションを購入するためには、どんな不動産会社に依頼すればよいでしょうか。
ポイントをお伝えします。
物件があるエリアの実績が豊富
気になるエリアでの取引実績が多い会社はその地域の市場動向に詳しいため、条件に合った物件を見つけやすくなります。
賃貸と分譲の両方に対応できる不動産会社がおすすめ
賃貸と分譲の両方に対応可能な会社を選びましょう。
購入後も、将来的な住み替えや賃貸活用について相談できて安心です。
高田 一洋(たかだ かずひろ)
一心エステート株式会社代表取締役 不動産コンサルタント
【保有資格】宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/損害保険募集人資格/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー/相続診断士
1983年福井県生まれ。金沢大学工学部を卒業後、大手コンサルティング会社に入社、4年間、新規事業の立ち上げや不動産会社のコンサルティング業務に従事する。その後、当時の取引先リストグループに惹かれ入社。不動産仲介営美・営業管理職・支店長を経て、さらなる理想を追求するために一心エステートを創業。創業当初から金融機関・不動産会社へのコンサルティングを行い、ARUHI住み替えコンシェルジュでセミナー講師等を務める。豊富な不動産知識に加え20代で身に付けたコンサルティング技術、ファイナンス(お金・投資の知識)をもとに、東京都心の不動産仲介実績を積み上げている。2023年に著書「住んでよし、売ってよし、貸してよし。高級マンション超活用術: 不動産は「リセール指数」で買いなさい」を出版。