4階建てまでのマンションでは、エレベーターがないケースも多いです。毎日の上り下りを階段で行う必要があり、体力的な負担を感じやすいでしょう。
4階のマンションが不人気とされる理由をはじめ、実際に住むメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
目次
マンションの4階が不人気な理由
マンションの4階は、他の階と比べてやや人気が劣る傾向があります。その背景には、価格と利便性のバランス、エレベーターの有無、日常生活の負担など、いくつかの具体的な理由があるからです。
購入や賃貸を検討している人にとって、なぜ4階が「選ばれにくい」のかを理解しておくことは、後悔のない住まい選びにつながります。ここでは、4階のマンションが不人気とされる主な理由を詳しく解説します。
通常マンション価格は階が上がるごとに上昇する
一般的にマンションの価格は、階数が上がるほど高くなる傾向があります。
これは「眺望が良い」「日当たりが確保しやすい」「騒音や防犯面で有利」といった高層階のメリットに価値を感じる人が多いためです。高層階=ステータスと見なされやすく、価格にもその分のプレミアが上乗せされます。
マンションで売れやすいのは5階から10階の中〜高層階です。日当たりや景観がある程度良く、低層階としての利便性もあるため、多くの買主にとってバランスが良い選択肢といえます。
4階だとエレベーターがないのは珍しくない
4階建てまでのマンションでは、エレベーターが設置されていないことが良くあります。
これは建築コストなどを抑える目的があり、法律上もエレベーターの設置義務がないためです。
その結果、4階に住む場合は毎日の上り下りを階段で行う必要があり、体力的な負担を感じやすいです。特に小さな子どもがいる家庭や高齢者にとっては、大きなデメリットとなります。また、荷物の多い引っ越しや買い物の際も苦労する場面が多くなるでしょう。
こうした理由から「4階=エレベーターなしで不便」というイメージが定着し、購入や賃貸の選択肢から外されやすくなっているのが現状です。
エレベーターのない4階に住むメリット・注意点
「エレベーターなしの4階」と聞くとマイナスの印象を持つ人も多いですが、実は住み方によっては十分にメリットもあります。ここでは、エレベーターがない4階の物件に住むことで得られる利点と、事前に理解しておきたい注意点、そしてこのような物件に向いている人の特徴を見ていきましょう。
価格が抑えられやすく、運動不足の解消になるのがメリット
エレベーターがない分、同じエリア・間取りでも価格や家賃が比較的安く設定される傾向があります。そのため、予算を抑えて広さや立地の良さを優先したい人には選びやすい物件です。
また、階段の上り下りは日常的な運動にもなります。運動不足を感じている人や健康を意識している人にとっては、自然と体を動かす機会が増えるという前向きなとらえ方もできます。
さらに、エレベーターの待ち時間がないため、時間のロスが少ないという点も意外なメリットです。
日常生活の負担や老後のリスクには注意が必要
階段の上り下りが避けられないため、買い物帰りや体調不良時などは大きな負担になります。特にベビーカーや重たい荷物があるときは不便を強く感じる場面が多いでしょう。
また、将来的に年齢を重ねたときや足腰に不安を抱えたとき、物件の住み替えが必要になる可能性もあります。いざというときの選択肢を持っておくことも重要です。
賃貸の場合でも「年配の入居者には不向き」と判断されやすく、退去の際に次の入居者が決まりにくくなる懸念もあります。
体力に自信があり、コスパを重視する人にはおすすめ
エレベーターなしの4階物件は、健康面や体力に自信がある単身者や若いカップルに向いています。特に「予算を抑えたい」「広さや立地の良さを優先したい」といったニーズがある人にとっては、選択肢として十分魅力的です。
また、在宅勤務などで外出の頻度が少ない人にとっては、階段の上り下りがそこまで負担にならない場合もあります。生活スタイルに合っていれば、コストパフォーマンスの高い住まいといえるでしょう。
マンションの4階は売れにくいのか
4階のマンションは「売れにくい」と感じている人もいるかもしれません。実際、購入希望者がエレベーターの有無や階数を気にするケースは多く、一定の影響は否定できません。ただし、すべての4階物件が売れにくいわけではなく、建物の条件や販売戦略によって結果は大きく変わります。ここでは、売却が難しくなる主な原因と、売れやすくするための具体策について解説します。
エレベーターがない物件は売却しにくくなる
エレベーターのないマンションの4階は、売却が難しくなる傾向があります。
特に購入検討者が家族連れやシニア層である場合、階段のみの移動に不安を感じることが多いです。
また、見学段階で「実際に4階まで上るのが大変」と実感されてしまうと、第一印象で敬遠されてしまう可能性も高まります。競合するエレベーター付き物件が同価格帯に存在する場合、そちらに流れてしまうのは自然なことです。
このように、「利便性の低さ」がネックとなりやすいため、売却の際には物件の魅力をいかに補足・強調できるかがカギになります。
エレベーターなしの4階でも売れやすい物件
エレベーターがなくても売れやすい4階物件には、いくつかの共通点があります。
まず立地が良いこと。駅近や商業施設が充実したエリアであれば、多少の不便をカバーできる魅力があります。
加えて、管理費や修繕積立金が安いなど、経済的メリットがあると、買い手の決断を後押しする材料となるでしょう。
不動産会社に原因があって売れないケースもある
マンションがなかなか売れない場合、物件の条件だけでなく、不動産会社の対応が原因となっているケースもあります。
例えば売主と買主の両方から手数料を得ようとする「両手仲介」を狙って、積極的に他社へ紹介しないことがあります。これでは販売機会が狭まり、売却が長期化してしまうこともあります。
このような場合には「一般媒介契約」に切り替えて複数社へ依頼したり、不動産会社そのものを変更することも検討すべきです。また、購入ターゲットを明確にし、リフォーム提案や価格調整を含めた戦略的な販売活動を行うことも有効です。
物件に問題があるとは限らないため、販売状況を冷静に見直すことが大切です。
不動産会社ごとに得意な地域・物件種別がある
同じ不動産会社でも、得意とするエリアや物件の種類には違いがあります。売却を依頼する際は「自分の物件に強い会社かどうか」を見極めることが大切です。具体的には、過去の販売実績や得意エリア、営業担当の提案力をチェックしましょう。
適切な不動産会社と組むことで、物件の価値が正しく伝わり、売却までの期間や価格面で良い結果につながる可能性が高まります。
マンションの4階に住むメリット・デメリット
マンションの4階は不人気とされることもありますが、実際には暮らし方によって感じ方が大きく変わります。例えば防犯面や眺望の良さといった高層階のメリットを持ちつつ、低層階よりもプライバシーを保ちやすい点は魅力です。
一方で、夏場の暑さなど注意点もあります。ここでは、4階に住むことのメリットとデメリットを整理し、どのような人に向いているのかを見ていきます。
マンションの4階に住むメリット
マンションの4階ともなると、虫の侵入リスクはかなり減ります。1階や2階は、ベランダなどからハエやゴキブリなどが侵入しやすいですが、4階であれば虫の侵入率が減ります。
ベランダの洗濯物が乾きやすい点も魅力です。上の階ほど日当たりや風通しが良いです。また低層階と比べて通行人の視線が気になりにくく、防犯面でも比較的安心できます。
マンションの4階に住むデメリット
マンションの4階に住むデメリットとして地震の際に1〜2階より揺れやすい点があげられます。
物件によっては日射や通風が良くない点もデメリットです。すぐ隣に5階建て以上の建物が立っていると、期待するほど通風や日射が得られない場合もあります。周辺の建物の距離などを確認することが大事です。
マンションの4階はどんな人におすすめ?
マンションの4階は、コストを抑えながらも安心感のある住環境を求める人におすすめです。上階より価格が抑えられやすいため、費用重視で物件を選びたい単身者や若い世帯にとっては、コストパフォーマンスの良い選択肢となるでしょう。
日射や階段の上り下りに問題がなければ、生活の利便性を保ちつつ、快適な住環境を得られるバランスの取れた階ともいえます。