立地や築年数、間取りなどの条件によって買い手がつきにくくなった物件は、ただ市場に出し続けるだけでは状況が改善されることはほとんどありません。
そこで本記事では、売れないマンションを処分する方法や売れないマンションを早めに処分した方がいい理由について解説します。
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目次
売れないマンションの所有権を放棄することはできない
売れないマンションの所有権を放棄することは、日本の法律上非常に難しいとされます。
民法第206条に基づき、所有権は法令の範囲内で使用・収益・処分は可能ですが、放棄そのものは法律行為として認められていないためです。
民法第239条第2項では「所有者のない不動産は国庫に帰属する」とされていますが、これは元々所有者が存在しない土地に限られるため、既存の所有者がいるマンションには適用されません。
また、マンションの所有権は「区分所有権」と「敷地利用権」が一体化しており、これらを切り離して処分することができないのです。
不要な土地を国に引き取ってもらう制度として「相続土地国庫帰属法」がありますが、マンションは対象外になります。
このような現状から、売れないマンションの所有権の放棄は認められていません。
売れないマンションを早めに処分した方がいい理由
続いて、売れないマンションを早めに処分した方がいい理由を3つ解説します。
理由①:管理費・修繕積立金が発生しつづけるから
売れないマンションを早めに処分した方がいい理由の1つ目は、管理費・修繕積立金が発生しつづけるからです。
管理費は、マンションの共用部分を日常的に維持・管理するために必要な費用になります。
区分所有者全員が負担する義務があるため、仮に所有者がマンションを利用していない場合でも支払わなければなりません。
修繕積立金は、マンション全体を長期的に維持するために、必要な大規模修繕工事の資金を確保するために徴収されます。
管理費と修繕積立金は、マンション全体を維持管理するのに不可欠な費用です。
これらの支払い義務は法律で定められており、区分所有者として責任を果たす必要があります。
理由②:年月の経過とともに資産価値が下落するから
売れないマンションを早めに処分した方がいい理由の2つ目は、年月の経過とともに資産価値が下落するからです。
老朽化した物件は購入希望者にとって負担が大きくなるため、需要が低下し価格が下落しやすくなります。
外壁や屋根・水回りなどの修繕費用の増加、設備の老朽化で資産価値が下がるためです。
築年数が経過するにつれて、修繕積立金や管理費用が上昇します。
これにより購入希望者にとって負担が大きくなり、売却価格にも影響を与えてしまうのです。
理由③:税金が発生するから
売れないマンションを早めに処分した方がいい理由の3つ目は、税金が発生するからです。
固定資産税や管理費は所有権を手放すまで支払い義務が続きます。
また、売れないマンションを処分する際には、譲渡所得税や印紙税などの諸費用が発生します。
特に利益が出た場合は、譲渡所得税が高額になる傾向があるので、事前の確認が必要でしょう。
売れないマンションを処分する方法5選
続いて、売れないマンションを処分する方法を5つ解説します。
方法①:別の仲介業者に売却を依頼する
売れないマンションを処分する方法の1つ目は、別の仲介業者に売却を依頼することです。
マンションがなかなか売れない場合、現在依頼している仲介業者が適切な販売活動を行っていない可能性があります。
別の仲介業者に依頼することで、売却成功の可能性が高まるかもしれません。
方法②:買取業者に売却する
売れないマンションを処分する方法の2つ目は、買取業者に売却することです。
買取業者による売却は、仲介と比較して非常に短期間で完了します。
仲介業者の場合、買主を探すまでに3~6カ月以上かかる場合がありますが、買取業者では早ければ1週間から1カ月程度で売却が完了するのです。
方法③:賃貸物件として貸し出す
売れないマンションを処分する方法の3つ目は、賃貸物件として貸し出すことです。
賃貸に出す最大のメリットは、毎月安定した家賃収入を得られる点でしょう。
適切なメンテナンスや管理を行えば、建物の劣化を抑え、将来的に期待した以上に高値で売却できるかもしれません。
人が住むことで換気や通水が行われるので、室内自体の環境悪化も防げます。
方法④:相続権を放棄する
売れないマンションを処分する方法の4つ目は、相続権を放棄することです。
売れないマンションの相続権を放棄することで、経済的負担や管理責任から解放されるという大きなメリットがあります。
仮にマンションを相続すると、所有者として固定資産税や、管理費、修繕積立金などの支払い義務が発生します。
これらの費用はマンションを利用していなくても継続的に請求されるため、相続放棄をすることで、これらの負担を完全に回避できるのです。
方法⑤:無償で譲渡する
売れないマンションを処分する方法の5つ目は、無償で譲渡することです。
無償でマンションを譲渡することは、売却が難しい物件を処分しつつ、固定資産税や管理費などの経済的負担や管理責任から解放されます。
無償譲渡は売却と異なり、利益を得ることを目的としないため、契約内容や価格交渉が不要なのです。
立地が悪い・築年数が古い・需要が低いなどの理由で、市場で売却が困難な物件でも、無償譲渡であれば、引き受け手が見つかる可能性が高まるかもしれません。
売れないマンションを処分する際に発生する費用
売れないマンションを処分する際には、さまざまな費用が発生します。
特に仲介売却では、仲介手数料や譲渡所得税など、高額なコストがかかるのです。
売らずにマンションを賃貸物件として貸し出す際にも、初期投資や維持管理コストが発生します。
これは賃貸需要を高めるために、内装リフォームやクリーニングを行う必要があるためです。
数十万円から数百万円程度の費用がかかり、築年数が古い物件では、水回りや壁紙などの修繕が求められる場合があるでしょう。
売れないマンションの処分に関するよくある質問
売れないマンションの処分方法について解説しましたが、ここからは、よくある質問をまとめました。
質問①:寄付は可能ですか?
自治体がその物件を公的利用できると判断した場合にのみ、寄付が受け入れられる可能性があります。
固定資産税収入の減少や維持管理費の負担を理由に、マンション寄付を断ることが多いためです。
自治体はマンションではなく「土地」のみを寄付対象としているケースが多いうえに、厳しい審査条件で実現するケースは少ないです。
そのため、寄付の申請自体は可能ですが、受理される可能性が非常に低いといえます。
質問②:そもそもなぜ売れないのでしょうか?
「価格設定」「立地」「築年数」「販売戦略」などの複合的な要因です。
築年数や設備の老朽化、立地条件や需要の問題も大きな問題になっています。
例えば、水回りや外壁などの修繕費用が余計にかかってしまう・最寄り駅から遠くてバスが必要などの理由です。
このような絡み合った問題が元の所有者を悩ませている要因でしょう。
質問③:仲介業者はどのように選べばいいでしょうか?
「評判」「実績」「担当者」「料金体系」などの観点から総合的に判断するのがおすすめです。
専門性と実績、地域密着型、ネット上の評判などを調べることで、信頼できる業者が探しやすくなります。
例えば、地域内で実績豊富な担当者と直接マッチングできるサービスの活用が挙げられるでしょう。
ネット上の評判や実績などを重視することで、個々に合った仲介業者が選べるかもしれません。
まとめ:売れないマンションは早めに処分しよう
今回は、売れないマンションを処分する方法や売れないマンションを早めに処分した方がいい理由を解説しました。
売れないマンションの処分で悩んでいる方は、本記事を参考にして、ぜひ売れないマンションを早めに処分してみてください。