一戸建てを売却しようと考えたとき、「築40年の家はどれくらいの価格で売れるのか?」と気になる人は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、築40年の一戸建ての売却相場の目安や築40年の一戸建てを高値で売却するコツについて詳しく解説します。
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目次
築40年の一戸建ての売却相場は土地価格とほぼ同程度
国土交通省の中古戸建住宅の価格査定の例 を下記に示します。
木造戸建て住宅の市場価値は、年を経るごとに下がっています。
築後10年で約半分、築後20年で価格はほぼゼロになり、築後30年以上で、価値はゼロになっていくことが分かります。
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方
続いて、築40年の一戸建ての売却相場の調べ方を5つ解説します。
調べ方①:複数の不動産会社に査定してもらう
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方の1つ目は、複数の不動産会社に査定してもらうことです。
不動産査定には、簡易査定と訪問査定の2種類があります。
査定調査内容 | 期間 | 査定額 | |
簡易査定 | 物件の立地、過去の売買価格、周辺の売り出し情報など | 比較的に短期間 | おおまかな査定額 |
訪問査定 | 実際の敷地や建物、設備状況、周囲の環境、面している道路の幅など | 長期間 | 実際の査定額に近い |
また、担当者それぞれが把握している情報や過去の査定経験も違うことから、査定価格が違ってきます。
複数の不動産会社に査定をしてもらうことで、より適切に売却相場を調べることができます。
調べ方②:不動産ポータルサイトで同じ条件の物件を探す
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方の2つ目は、不動産ポータルサイトで同じ条件の物件を探すことです。
インターネットを利用し、不動産大手サイトで物件を検索して相場を調べます。
売りたい物件と同じような一戸建てが、どのくらいの価格で売りに出ているか見ることができます。
「中古一戸建て」「場所」などで同じ条件を指定すると様々な物件が出てきます。
間取り、建物面積、交通の便の欄を参考に、売りたい物件と似たような物件を探し、価格をみてみてください。
どれくらいの価格がついているのか、おおまかに知ることができます。
調べ方③:過去の取引事例を調べる
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方の3つ目は、過去の取引事例を調べることです。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の不動産の取引価格、地価公示等の情報を提供しています。
表示価格は、アンケート収集時より変わる可能性があり、個々の要因(面積・形状・前面道路の状況)や過去に取引された事情によっても変わる点に注意してください。
また、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している「REINS Market Information」でも、不動産の取引価格、成約時期などの情報を提供しています。
不動産の特定はできませんが、取引情報を詳細に知ることができ、売りたい物件の周辺相場を知る手掛かりになります。
調べ方④:公示地価から調べる
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方の4つ目は、公示地価から調べることです。
国土交通省の「地価公示・都道府県地価調査の検索」サイトで、地価公示(標準地の価格)・都道府県地価調査(基準地の価格)を調べることができます。
国土交通省が公表するのは「地価公示」、都道府県が公表するのは「基準地価」ですが、どちらも正常な価格形成のために算出される標準値(基準地)の正常な価格です。
これらは、近隣地域一帯の標準的な価格水準を表すものなので、最高もしくは最低の地価のことではありません。
該当所在地の価格を調べたうえで、さらに詳しく評価額の決定理由や価格形成要因の変動状況を知りたい場合は、鑑定評価表や過去の地価、変動率を合わせて参照するとよいでしょう。
調べ方⑤:固定資産税評価額から調べる
築40年の一戸建ての売却相場の調べ方の5つ目は、固定資産税評価額から調べることです。
固定資産税評価額は、毎年春に届く固定資産税の納税通知書に明記されています。
固定資産税を算出するために基になるのが固定資産税評価額ですから、通知書の中の課税明細欄に記載されるのです。
土地、家屋と別々に「価格」もしくは「評価額」の欄で確認できます。
原則として、3年間は据え置くことになっているので、評価替えの初年度以降3年目までは、評価額は変わりません。
評価替え年後の2年間は地価の変動が反映されていないことを頭の片隅に置いておきましょう。
築40年の一戸建てを高値で売却するコツ
続いて、築40年の一戸建てを高値で売却するコツを5つ解説します。
コツ①:親身になってくれる不動産会社を探す
築40年の一戸建てを高値で売却するコツの1つ目は、親身になってくれる不動産会社を探すことです。
実際に売却する際の準備や契約に関する手続きなどが分からない場合は、不動産会社に相談することをおすすめします。
事前にご自分で売却相場を調べたうえで、適切な査定額を提示してくれる不動産会社を探しましょう。
そのためには、複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定額を比較します。
売り出しから引き渡しまで、6ヶ月ほどかかることを想定して、査定のスピード感や、担当者の対応の良さや相性、サービスの内容など、親身になって応じてくれる不動産会社を選ぶ方が得策といえるでしょう。
コツ②:金利が低い時期に売り出す
築40年の一戸建てを高値で売却するコツの2つ目は、金利が低い時期に売り出すことです。
住宅を購入するときは高額な買い物になるので、多くの人は住宅ローンを利用します。
住宅ローンの金利は、1990年代のバブル崩壊後に急落し、低金利の状態が続いていました。
2024年の利上げ以降は、金利の上昇が始まっていますが、長期的にみるとまだ低金利といえます。
住宅ローンの金利は低ければ低いほど、総返済額が減るので、住宅をできるだけ安く購入したい方は、金利の低い時期に購入しようと考えます。
従って、住宅ローンの金利が低い時期に売り出すのがよいタイミングといえます。
コツ③:住宅需要が増える時期に売り出す
築40年の一戸建てを高値で売却するコツの3つ目は、住宅需要が増える時期に売り出すことです。
一般的に春と秋が住宅需要が増える時期といわれています。
会社の人事異動や子供の学校入学などは春と秋に行われることが多いため、その時期に合わせて購入するケースが多くなるからです。
新年度からの転勤が決まっている方は、いつから物件を探し始めるでしょうか。
高い買い物なので、前もって物件を見てじっくり検討することが想定されます。
3月までに購入を決めていれば、当然2月、早ければ1月から物件を探し始めるでしょう。
その時が住宅需要が増える時期ですので、高値でも売却できる可能性があります。
コツ④:余裕を持った売却スケジュールを組む
築40年の一戸建てを高値で売却するコツの4つ目は、余裕を持った売却スケジュールを組むことです。
売却スケジュールとして、「売却準備」「売却活動」「契約・引き渡し」の段階があります。
一般的に、「売却準備」では、登記簿謄本や境界確認書などの必要書類をそろえ、査定をして不動産会社と媒介契約を結ぶところまで、約1ヶ月かかります。
「売却活動」は不動産に依頼するわけですが、高値で売るためには、じっくりと相性の良い買い手に出会えるように十分な販売期間を確保する必要があります。
買い手との交渉で売り急ぐと、高値では売れないため、結局は価格を下げることになるのです。
「契約・引き渡し」は、売買契約を結んでから引き渡すまでに約2か月かかりますので、早めに売却期限を設定して、余裕を持った売却スケジュールを組むことが大事です。
コツ⑤:修繕/ハウスクリーニング/ホームインスペクションを行う
築40年の一戸建てを高値で売却するコツの5つ目は、修繕/ハウスクリーニング/ホームインスペクションを行うことです。
中古物件は、築年数が古くなるほど売れにくくなります。
建物は古くなると、劣化して修繕箇所が増えてきますし、見栄えが悪いと敬遠されがちになるからです。
壊れた個所は修繕し、ハウスクリーニングのプロの手で徹底的に掃除をし、メンテナンスを行うと、見た目もきれいになるので売れる可能性が高くなるでしょう。
ホームインスペクションとは、住宅診断士が専門的に建物の計測や設備のチェックをし、改修すべき点を説明しアドバイスを行うことです。
インスペクションを実施することによって、買主は安心して契約に臨むことができ、物件引き渡し後のトラブルを防ぐことにもなります。
築40年の一戸建てを売却する際の注意点
続いて、築40年の一戸建てを売却する際の注意点を4つ解説します。
注意点①:ローンは完済させておく
築40年の一戸建てを売却する際の注意点の1つ目は、ローンは完済させておくことです。
売却したい住宅を住宅ローンで購入していた場合、必ず抵当権が付いています。
抵当権とは、その住宅ローンが返済を完了できていないと、ローンを組んだ金融機関が住宅を取り上げる権利のことです。
そうなると、住宅は差し押さえられ、競売にかけられることになります。
住宅ローンを完済すれば抵当権は外れますので、売却するまでにローンを完済させておくようにしましょう。
注意点②:契約不適合責任に注意する
築40年の一戸建てを売却する際の注意点の2つ目は、契約不適合責任に注意することです。
「契約不適合責任」とは、住宅の種類や品質に関して売買契約の内容に不適合なことがあった場合、買主に対して売主が責任を負うことです。
従来の「瑕疵担保責任」では、損害賠償請求と契約の解除の2つが買主側の救済手段でしたが、2020年の改正民法で「契約不適合責任」に変更され、代金減額請求や履行の追完請求が加わりました。
売主は、売却する中古住宅の欠陥や傷などがあれば、その状態を正確に買主に伝えなければなりません。
売買契約書類にその内容を明記し、買主によく説明することが重要です。
注意点③:売却後に確定申告が必要になる場合もある
築40年の一戸建てを売却する際の注意点の3つ目は、売却後に確定申告が必要になる場合もあることです。
一戸建て住宅を売却すると譲渡所得となり、利益が出る場合は確定申告をする義務が発生します。
譲渡所得税がかかると同時に2037年までは復興特別所得税も課されますが、納税や還付を受けるために確定申告が必要になるのです。
しかし、特別控除の特例制度を利用すれば、税金を軽減あるいはゼロにすることができます。
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用して、物件の所有期間を問わず、マイホーム売却時の譲渡益から最高3,000万円を控除できるのです。
譲渡所得が損失した場合は、別の特例を利用して確定申告をすれば課税所得額を減らすことができますし、特例を利用しなければ確定申告は不要です。
注意点④:不動産会社との媒介契約の内容を検討する
築40年の一戸建てを売却する際の注意点の4つ目は、不動産会社との媒介契約の内容を検討することです。
不動産会社と媒介契約を結ぶ際は、契約の内容を確認して、売却する住宅が売れやすいかどうか検討することが重要です。
複数の不動産会社と契約した場合、不動産会社が競って売ろうとするため、好条件で売れる可能性があります。
しかし、それぞれの不動産への状況報告や内覧の日程調整などは、売り主がすることになっているため、手間と時間がかかります。
また仲介手数料は成約価格によって上限が決まりますが、各不動産会社ごとに仲介手数料は異なるため、契約時に明確にして、トラブルのないように契約内容を検討していきましょう。
築40年の一戸建ての売却に関するよくある質問
ここからは、築40年の一戸建ての売却に関するよくある質問に回答します。
質問①:築40年の一戸建ての固定資産税はいくらになりますか?
現在、築40年の一戸建てをお持ちでしたら、固定資産税の金額は納税通知書や固定資産台帳などで調べると実際の金額を知ることができます。
また、おおまかな金額になりますが、計算式で求めることもできます。
以下にシミュレーションを示しますので、あなたの調べたい一戸建てにあてはめてみてください。
築40年の木造一戸建て住宅を2,500万円で購入した場合の固定資産税額の出し方
対象物件 | 築40年の木造一戸建て住宅と土地 |
購入金額 | 2,500万円 |
土地の広さ | 180㎡ |
土地と建物の購入割合 | 6:4 |
再建築価額※ | 3,000万円と仮定する |
※木造住宅は築40年経過すると価値はゼロになるため、同等の構造と材料で新築した場合にかかる費用を再建築価格として評価額を出すことになっています。
出典:自治税務局 資産評価室固定資産評価のしくみについて(家屋評価)
以上の条件から固定資産評価額を求めます。
土地 | 建物 | |
計算式 | 再建築価額×0.4×0.7×6分の10.4:購入割合0.7:70%が評価額となる6分の1:200㎡以下の土地の特例 | 再建築価額×0.6×0.20.6:購入割合0.2:築27年以上の木造住宅の補正率 |
評価額 | 3,000万円×0.4×0.7×6分の1=140万円 | 3,000万円×0.6×0.2=360万円 |
土地と建物の評価額を合わせると500万円になります。
従って、固定資産税額は、一般的に評価額の1.4%であるため
500万円×0.014=7万円
以上の計算式により、対象物件の固定資産税額は7万円となります。
質問②:木造と鉄筋コンクリートだと評価額が変わりますか?
木造と鉄筋コンクリート造の建物の評価額は変わります。
鉄筋コンクリート造の建築物は木造の建築物よりも耐震性、耐火性、耐久性などが優れている構造建築物です。
また、建築費用が高いと資産価値が高いと判断されますが、鉄筋コンクリート造は材料費や施工にかかる費用もかかるため、木造よりも建築費用が高くなります。
そのため、鉄筋コンクリート造の建物の方が、木造の建物より資産価値が高いと判断されます。
従って鉄筋コンクリート造の建物は、木造の建物より評価額が高くなります。
質問③:価格がゼロになる減価償却とはなんですか?
「価格がゼロになる減価償却」とは、一戸建て住宅が年々劣化して価値が下がり続け、ゼロになった状態のことです。
不動産の場合、土地は時間が経過しても劣化しないため減価償却に当たらず、年々劣化する建物のみに減価償却が適応されます。
建物が使用に耐えられなくなる年数を耐用年数といいます。
木造、鉄筋コンクリート造など建物の構造によって耐用年数は変わり、木造一戸建て住宅の耐用年数は33年と定められています。
以上のことから、木造一戸建て住宅の場合は33年間は減価償却できますが、33年を超えると減価償却費が計上できなくなり価値がゼロになるのです。
また、実際の売買では、築年数が20年を超える木造一戸建て住宅は、価値がゼロと評価される場合が多いです。
まとめ:築40年の一戸建ての売却相場を知っておこう
今回は、築40年の一戸建ての売却相場について詳しく解説しました。
築40年の一戸建ての売却を検討している方は本記事を参考にして、ぜひ一戸建ての売却を成功させてください。