マイホームを4,000万円で購入したものの、住み替えやライフスタイルの変化に伴い売却を考えることもあるでしょう。
そこで本記事では、4,000万円で購入した家の現在の売却価格の調べ方や4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法について詳しく解説します。
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目次
4,000万円で買った家はいくらで売れる?
4,000万円で買った家が果たしていくらで売れるのでしょうか。
下記の表の通り、築年数が経過するにつれて家の価値は下がっていきます。
買った当時の金額を100として考えると、戸建て住宅(木造住宅の減価償却年数(22年)で算出)では20年後からほぼ価値がなくなっていることがよく分かります。
マンションについては戸建て住宅と比較すると減りは緩やかですが、それでも30年後の価値は買った当初の5割にも満たないです。(中古マンション減価償却年数47年で算出)
つまり、売却時期が遅ければ遅いほど売却額は安くなります。
一戸建ての場合
4,000万円で購入した一戸建て住宅の価格は下記の表のように変動します。
築年数 | 建物の価値減少率 | 建物価格の目安 | 売却価格の目安 |
1年 | 5% | 1900万円 | 3900万円 |
2年 | 13% | 1740万円 | 3740万円 |
3年 | 18% | 1640万円 | 3640万円 |
4年 | 25% | 1500万円 | 3500万円 |
5年 | 30% | 1400万円 | 3400万円 |
10年 | 55% | 900万円 | 2900万円 |
20年 | 85% | 300万円 | 2300万円 |
22年 | 100% | 0円 | 2000万円 |
(※購入時の建物価格を2000万円、土地価格を2000万円と仮定します。)
築22年の建物価格の目安が0円となっているのは木造戸建て住宅の法定耐用年数が22年のためです。
そのため、築22年になるとほぼ土地価格のみで取引され、木造でない場合であってもほぼ土地価格で取引されます。
ただし、例えば都心部など需要の高い地域などは例外です。
これらの地域では交通機関の整備や将来的な人口増などの要因で地価が上昇する可能性を秘めています。
マンションの場合
4,000万円で購入したマンションの場合、下記の表のように売却価格が変動します。
築年数 | 建物の価値減少率 | 売却価格の目安 |
1年 | 10% | 1800万円 |
2年 | 12% | 1760万円 |
3年 | 14% | 1720万円 |
4年 | 16% | 1680万円 |
5年 | 18% | 1640万円 |
10年 | 24% | 1520万円 |
20年 | 42% | 1160万円 |
30年 | 60% | 800万円 |
35年 | 70% | 600万円 |
マンションは一戸建てと比較すると築1年の建物の価値減少率が高いです。
ただし、築2年以降の建物の価値減少率はマンションの方が緩やかになります。
実際には立地条件などによって上記の表よりも高値で売却できる場合もあります。
例えば都心部や交通アクセスの優れた地域など需要が多く見込まれるエリアなどです。
【いくら?】4,000万円で買った家の査定価格の調べ方
続いて、4,000万円で買った家の査定価格の調べ方を5つ解説します。
調べ方①:不動産会社に依頼する
4,000万円で買った家の査定価格の調べ方の1つ目は、不動産会社に依頼することです。
不動産会社へは直接の依頼に加え、複数の不動産会社に依頼する不動産一括査定もできます。
不動産一括査定では1度の物件情報と個人情報で複数の不動産会社に依頼できるので手間いらずです。
なお、査定方法には訪問査定と机上査定の2種類があります。
査定内容 | メリット | デメリット | |
机上査定 | 不動産会社のスタッフが周辺相場や成約事例、図面などを参考にして価格を算出する方法 | 1〜3日で査定結果がわかる不動産会社とのスケジュール調整や物件の清掃をする必要がない | 物件を確認することなく査定を行うため、査定の精度にばらつきがある |
訪問査定 | 不動産会社のスタッフが物件を訪問して調査を行い、査定結果を算出する方法 | 物件を直接確認するため、査定の精度が高い不動産会社のスタッフに売却方法や税金などの相談ができる | 査定結果がわかるまでに1週間程度かかる不動産会社とのスケジュール調整を行わなければならない |
訪問査定では実際に現地に赴いて外観や周辺などを詳細にチェックするため、精度の高い査定を受けられます。
机上査定については訪問査定ほど精度は高くありませんが、査定が最短1日~3日と早いです。
おおまかな査定額を早めに知りたいときは机上査定、詳細な査定額を知りたいときは訪問査定がそれぞれおすすめです。
調べ方②:ポータルサイトで確認する
4,000万円で買った家の査定価格の調べ方の2つ目は、ポータルサイトで確認することです。
ポータルサイトでは提携している不動産会社の物件情報が掲載されています。
売りたい物件に近い条件で検索するとだいたいの相場を把握できます。
ただし、売り出されていない物件については相場を調べられない場合があるので留意しましょう。
調べ方③:レインズマーケットインフォメーションで確認する
4,000万円で買った家の査定価格の調べ方の3つ目は、レインズマーケットインフォメーションで確認することです。
レインズマーケットインフォメーションは不動産流通機構が運営している情報サイトで、最寄駅と距離、所在、価格、専有面積、間取り、築年数、物件の構造、成約時期などを確認できます。
上記の条件について築年数や面積などの並び替えで各種成約事例が表示されます。
売りたい家と類似した条件の成約事例を確認したいときなどにおすすめです。
調べ方④:不動産情報ライブラリで確認する
4,000万円で買った家の査定価格の調べ方の4つ目は、不動産情報ライブラリで確認することです。
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営している不動産に関する情報サイトで、不動産の取引価格、地価公示、周辺施設情報などを確認できます。
地域からの検索、地図検索など条件を絞り込むことで比較したい物件に近い情報を見られます。
売りたい物件の相場を知りたいときなどにおすすめです。
調べ方⑤:不動産鑑定士に依頼する
4,000万円で買った家の査定価格の調べ方の5つ目は、不動産鑑定士に依頼することです。
より精度の高い査定をしたい場合、不動産鑑定士に依頼するのもおすすめです。
不動産鑑定士は国家資格で、国が定めている不動産鑑定評価基準に基づいて鑑定します。
そのため、不動産会社よりもさらに詳細な査定額を把握できます。
ただし、不動産鑑定士による鑑定は基本的に有料である点に留意しましょう。
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法
続いて、4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法を5つ解説します。
方法①:築浅のうちに売り出す
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法の1つ目は、築浅のうちに売り出すことです。
不動産価格はその時の経済の影響をダイレクトに受けます。
その時の経済状況によって必ずしも高く売りやすい時期が続くとは限りません。
売り時を待っている間に年数が経過すると基本的に不動産価値は低下していく傾向にあります。
そのため、築浅のうちに売り出すと比較的高く売れます。
方法②:需要の高まっているタイミングで売り出す
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法の2つ目は、需要の高まっているタイミングで売り出すことです。
一般的に不動産の需要が高まる時期は2月から3月、9月です。
2月から3月については新年度が始まる4月からの新生活に備えて新居を探すため、需要が高まります。
9月については年度の途中ですが転勤の時期でもあり、需要が高まります。
方法③:複数の不動産会社の中から依頼する会社を決める
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法の3つ目は、複数の不動産会社の中から依頼する会社を決めることです。
不動産会社によって一戸建てに強い、マンションに強いなどそれぞれ得意分野があります。
また、不動産会社によって査定される売却額も変わります。
複数の不動産会社に査定してもらうことで、その中から最も高い査定額の不動産会社に売却することで高く売ることが可能です。
なお、複数の不動産会社に査定を依頼する時は不動産一括査定サービスを使うと簡単です。
方法④:余裕を持った売却スケジュールを組む
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法の4つ目は、余裕を持った売却スケジュールを組むことです。
築浅で売り出した方が比較的に高値で売れるとされるものの、スケジュールには注意が必要です。
売却までのスケジュールがあまりにもタイトだと大幅な値下げを余儀なくされる可能性があります。
大幅な値下げを避けるためにも余裕を持ったスケジュールで売却しましょう。
1年程度の余裕をもったスケジュールだと安心です。
方法⑤:必要な箇所はリフォームを済ませておく
4,000万円で買った家をできるだけ高く売る方法の5つ目は、必要な箇所はリフォームを済ませておくことです。
家を売る前のリフォームは必ずしも義務ではありませんが、行った方がいい場合もあります。
あまりにも汚れや傷が目立つようであればその箇所をリフォームすることを推奨します。
売る前のリフォームは義務ではないとは言え、見た目がある程度きれいな方が好印象だからです。
そのため、リフォームが必要な箇所があれば済ませておきましょう。
4,000万円の家を売るときの注意点
続いて、4,000万円の家を売るときの注意点を4つ解説します。
注意点①:ローンは完済させておく
4,000万円の家を売るときの注意点の1つ目は、ローンは完済させておくことです。
これはローンを組んだときに生じる抵当権が売却時には抹消されてなければならず、抹消するにはローンの完済が必要だからです。
そのため、家を売却するときは事前にローンの残債についても把握しておきましょう。
ローン完済は家の売却代金で行っても問題ありません。
注意点②:契約不適合責任に注意する
4,000万円の家を売るときの注意点の2つ目は、契約不適合責任に注意することです。
家を売却する際には売主に契約不適合責任が生じます。
契約不適合責任とは、売却後に契約になかった欠陥などが見つかった際に売主が責任をとるものです。
場合によっては損害賠償や契約解除などのトラブルにも繋がりかねません。
そのため、家に不具合や欠陥などがあれば契約不適合責任に由来するトラブルを避けるためにも包み隠さず伝えましょう。
注意点③:売却後に確定申告が必要になる場合もある
4,000万円の家を売るときの注意点の3つ目は、売却後の確定申告が必要になる場合もあることです。
売却後に生じた利益に対して譲渡所得税が発生するため、売却後に損が出たなどの事情がない限り基本的に確定申告が必要です。
ただし、一定の条件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」の対象になります。
対象になれば譲渡所得から3000万円までを上限に控除され、節税できます。
仮に3000万円以下だった場合は全額が控除対象です。
注意点④:不動産会社との媒介契約の内容を検討する
4,000万円の家を売るときの注意点の4つ目は、不動産会社との媒介契約の内容を検討することです。
不動産を売却する際に結ぶ媒介契約は3種類あります。
専任媒介契約が一般的ですが、他にも売却保証がつく専属専任媒介契約、売却の自由度が高い一般媒介契約があります。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
依頼できる会社の数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社 |
自分で買主をみつけても良いか | 不可 | 可能 | 可能 |
依頼主への報告頻度 | 2週間に1回以上の | 1週間に1回以上 | 報告なし |
レインズマーケットインフォメーションへの登録義務 | あり | あり | なし |
自ら買主を探したり、複数社に依頼する一般媒介契約は都心部のような需要の高いエリアで、すぐに買主を見つけやすい場合におすすめです。
自由度が高い反面、サポート体制が必ずしも整っていない上、都心部以外では買い手がつきにくいデメリットもあります。
そのため、都心部のような需要の高いエリアでない限り専任媒介契約か、さらにサポート体制の整った専属専任媒介契約がおすすめです。
このように、家を売却するときは媒介契約の内容もよく検討しましょう。
4,000万円で買った家の売却に関するよくある質問
ここからは、4,000万円で買った家の売却に関するよくある質問に回答します。
質問①:売却時に税金や手数料は発生しますか?
家を売却すると先述した譲渡所得税に加えて印紙税、登記費用が発生します。
印紙税とは売買契約書に課される税金のことで、契約書に記載された金額によって下記の表のようになります。
なお、令和6年4月1日より令和9年3月31日までに作成された契約書は軽減税率の対象です。
契約書の記載額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円超50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超100万円以下 | 1000円 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 2000円 | 1000円 |
500万円超1000万円以下 | 1万円 | 5000円 |
1000万円超5000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
出典:国税庁|「不動産譲渡契約書」及び建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について
例えば令和7年に4,000万円の売却契約を結んだ場合、軽減税率の対象になるので1万円を印紙税として納めます。
続いて登記費用について解説します。
登記費用とは不動産売買に伴う所有権移転登記、抵当権抹消登記などの諸手続きを法務局で行う際に発生する登録免許税のことで、費用は不動産1件あたり1000円です。
最後に、譲渡所得税についてみていきましょう。
譲渡所得税は先述したように、不動産売却時の利益に対して課される税金です。
譲渡所得税は売却金額から取得費、譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して税率をかけることで割り出せます。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
出典:国税庁|土地や建物を売ったとき|国税庁
質問②:築年数がかなり経っている場合はどうすればいいですか?
老朽化が著しい場合や築年数がかなり経っている場合は買い手がなかなかつきません。
この場合は専門の買取業者に依頼するのがおすすめです。
リフォームを施して活用するノウハウがあるので、買い手がつきにくい物件であっても買い取ります。
さらに、売主でリフォーム代を払う必要もありません。
契約不適合責任も免責になるため、安心して売却できます。
質問③:どうしても売却ができない場合はどうすればいいですか?
どうしても売却ができない場合は更地にすることも検討しましょう。
家を新たに建てようと思っている人は解体費のかからない土地を希望します。
そのため、家を解体して更地にすることで早期成約が可能です。
また、建物がないことで契約不適合責任が免責になるメリットもあります。
まとめ:4,000万円で買った家はいくらで売れるのか把握しよう
今回は、4,000万円で買った家はいくらで売れるのかについて詳しく解説しました。
家の売却を検討している方は本記事を参考にして、ぜひ家の売却を成功させてください。

一心エステート株式会社代表取締役 不動産コンサルタント
1983年福井県生まれ。金沢大学工学部を卒業後、大手コンサルティング会社で新規事業立ち上げや不動産会社のコンサルティング業務に4年間従事。その後、リストグループで不動産仲介営業・営業管理職・支店長を経て、一心エステート株式会社を創業。創業当初から金融機関・不動産会社へのコンサルティングを行い、東京都心を中心に不動産仲介実績を積み上げている。2023年に著書「住んでよし、売ってよし、貸してよし。高級マンション超活用術: 不動産は「リセール指数」で買いなさい」を出版。
【保有資格】
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/損害保険募集人資格/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー/相続診断士